都市圏の一極集中による地方の過疎化は深刻だ。人口流出と少子化の波を受けた街は、荒廃が進んでいる。かつては子どもたちの歓声が響いていただろう廃校を、堂々と正面から切り取った力作だ。深い色合いと大胆な構図がさらに悲哀を増している。
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木立のなかで偶然見つけた光景なのだろうか。絶妙なシャッターチャンスである。雨露の水を飲もうとするリスの愛くるしいしぐさがとても印象的だ。逆光気味の光にリスの毛並みが輝き、構図もバランスがとれていて好感が持てる写真となった。
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ちょっとしたスナップとはこういうものなのだろう。お祭りでの一コマをコミカルに、そしてやさしいまなざしで写真撮影している。下足を整えようとする神主さんと花嫁姿の女性がほほえましい。撮影者の温かみが伝わってくる。
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蒸気機関車(SL)に魅せられた人は多い。重量感ある黒光りする鉄の塊が、運転士によって操られていく様を組み写真で表現した。あえてスクエア(正方形)の画面に納めることで、SLの躍動感と重厚感を凝縮させて伝えているのが成功だった。
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1日の農作業を終えたおばあさんの表情が明るくて、とてもいい顔をしている。望遠効果で浮かび上がった自然な表情が活きていて、自然に画面に引き込まれる。光の当たり方やフレーミングがしっかりと計算されているのが良かった。
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隈取り化粧を施した農村歌舞伎の役者を大胆に切り取った一枚。目のキャッチアイがいきていて、印象的な写真だ。一瞬、何ごとが起きたのかと思わせる摩訶不思議な様相に、吸い込まれるようだ。落ち着いた色合いで、化粧の質感もいい。
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写真は記録である。その記録性をいかんなく発揮する2枚だ。住み慣れた旧家と、まばゆい白い壁が印象的な新しい住宅の前に立つご夫婦。そこに可愛がっていたはずの犬の姿がなく、過ぎ去った年月を思う。新築住宅から垣間見る青空が未来を感じさせる。
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泥田バレーボールでの一コマ。競技の写真ではなく、次の試合に備えて昼食をとる三者三様の姿を狙った会心の一枚。強い日差しで日陰を求めてもままならない会場で、ちょっとした工夫で一服の涼を見いだした若者たち。それぞれの表情がいい。
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東日本大震災の被災地。津波で流された地区で復活した祭りを4枚組みで構成した。祭りは復活したが、そこににぎやかだった街はない。どんよりとした空が、撮影者が思う遅々として進まぬ復興への不安感を反映しているようだ。
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