第2回千葉の祭り写真コンテストは写真家 早坂 卓氏により審査が行われ、入賞作品が選定されました。入賞作品は第6回千葉の鉄道・乗物写真コンテスト入賞作品とともに、下記の写真展で展示されます。
【千葉の「鉄道・乗物」「祭り」写真展】
日時:2026年11月23日(月)~11月29日(日)
展示時間 10時~17時 (初日は13時から、最終日は15時まで)
会場:船橋市民ギャラリー 第3展示室
審査 写真家 早坂 卓
総評
写真はアートだ。大袈裟に思われるかもしれない。大事なのは「何をどう撮るか」、それは「何をどう表現するか」に通じる。
多くの被写体を観察し、興味ある被写体を見出し、自分の感性、想い、人生観などで切り取ることで、「表現」でされた、アート作品が誕生する。難しいことではなく、ほとんどの写真愛好家は、実践しているはずだ。大事なのはそれを、自覚することだ。逆に言えば、自分の感性などが十分に込められていない、もしくはただ写真テクニックを駆使しただけの写真は、良い写真とは言えない。
今回はテーマが「祭り」であるが、ただ祭りの場に行くのではなく、事前に、祭りの式次第 歴史 などを調べることは当然だ。
次に「祭り」をどう撮るかを考えよう。「祭りの全体の熱気 雰囲気、人々の興奮、祭りの後、祭りを支える裏方、神々の気配、単なる祭りの記録」など、さらにテーマを絞り、そこに自分の感性などを加味することが大事だ。
入賞、入選された写真は、「何をどう撮るか」が、大変よく反映された作品たちだ。涙を飲んで選外としたものも多かったことをお伝えしたい。
一方で撮影意図が弱いものもあり、次回は応募作品全体の底上げを期待したいところだ。大事なのは「ものを見る目」だ。写真に限らず、絵画、小説、映画、 俳句など いろいろな芸術を普段より観賞する事で、その感性は磨かれるはずだ。ものを見る目を養えば、きっと「長く見ていても飽きない良い写真」が、撮れるようになるはずだ。
最後に、昨今、写真愛好家の高齢化などが話題となっていますが、より若い仲間を増やすためにも、「長く見ていても飽きない良い写真」をより多く社会に示し、「写真の底力」を、見せつけましょう。
「上総十二社祭り」は千葉県一宮町の玉前神社を中心に毎年9月中旬に行われ、約1200年の歴史を持ち、別名「上総の裸祭り」とも呼ばれている。ご祭神玉依姫命とその一族の神々が由縁の釣ヶ崎海岸で年に1度再開されるという壮大な儀礼だ。この作品はその祭りの興奮を見事に端的に捉えている。神馬は背に金の御幣、白装束の男たちが並走し、九十九里の浜を砂煙をあげて駆け抜ける。馬と人にフォーカスし、背景をギリギリ排除し、無駄のない画面にすることで、男たちの熱気、祭りの興奮がよりいっそう見る者の心に迫ってくる。
「火渡り」灰が防熱剤となりそれほど熱くはないらしいと聞くが、その火渡りのシーンに多くの写真愛好家は注目しがちだ。写真を撮るにあたり大事なのは、その視点である。どう見るか、どこを見るかだ。作者は火渡りの前に執り行われる祈祷にカメラを向けた。この目線の鋭さ、その一瞬を見事に捉えた作者の集中力に脱帽だ。気合いと共にこの一年のご加護を感謝する気持ちが伝わってくる。
成田祇園祭は、新勝寺と成田山周辺の町が一体となって行われる夏祭りだ。この作品は豪華絢爛な山車が、成田山参道を巡行する様子を見る者に、ストレートに伝えている。真正面を向く山車を遮らない群集、参道の家並み、祭りの壮観さが画面に無駄なく凝縮している。山車の先端を頂点とする三角形構図がその画面を安定させ、祭りのざわめきが消え、「祭りの神聖さ」さえ感じる。