優秀賞「夢千代の眠る湯宿や夏の朝」 岩谷文勝(福岡県)
吉永小百合主演のNHKドラマで大人気だった『夢千代日記』。兵庫県のひなびた温泉地が舞台で物語は展開されます。その湯宿を旅しての一作で、物語の抒情に浸りながら過ごした朝に出会った花に、夢千代の数々の物語を思い起こしているようです。広島の原爆にゆかりのある夢千代であり、被爆80年の節目としての重みと情感のある見事な作です。
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入選「風はこぶ子ども神輿の声高ら」 福岡育代(東京都)
祭りの日、路地を散策していて、神輿を担ぐ子供たちの威勢のいい声が耳に届いたようです。しかし、目にした子たちへのおやつの数の少なさに、あの声は空耳だったかと思う作者です。少子化時代を感じさせるような象徴的な光景が悩ましく、趣のある作品に変化しています。
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入選「空梅雨や四季は何処へ吹き流れ」 小杉美千代(神奈川県)
異常気象に振り回されての実感です。四季の豊かな日本でありながら、温暖化の影響からか、季節感を失っているのが現状で、体調の変化を口にすることが多くあります。季節を感じさせるこの七夕飾りも、人々が目にすることなく過ぎたようで、寂しさが漂う作となりました。
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佳作「静寂の湖畔にひとり夏の果」 嶋川龍雄(青森県)
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佳作「炎天下それでも喰らう熱きもの」 打越榮(茨城県)
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佳作「夏めきて風そよ吹きし葉陰かな」 北澤敏男(長野県)
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佳作「花言葉は薄れゆく愛夏に入る」 西村美枝(長野県)
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佳作「脳細胞溶け出すような土用かな」 中川富夫(京都府)
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佳作「春光や影が体にじゃれつきて」 松林義明(兵庫県)
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選者作例「新米の味を確かむ雀かな」 中谷吉隆(俳号 龍子)
そろそろ今年の新米が顔を見せる。小泉新農相は、米価高騰を抑え、国民に安価な米をと、備蓄米を放出するが、古米、古古米に古古古米も登場、家畜の餌ではないかとの声も出た。日本人にとって米は重要だから、今後の農政が懸念される。米の値段など知らぬ雀たちは、どんな案山子の脅しにも無関心に、今年の米の出来具合、とくに味に関心を寄せてはしゃいでいる。なんとも羨ましい限りの光景である。
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