全日本写真連盟

第28回 いつでもどこでもフォト俳句

選評 中谷吉隆(写真家)

 フォト俳句の作品作りの面白味、楽しみは、写真とのコラボによって、新しい表現の世界に入れること。写真だけでは通り一遍のショットでも、俳句との組み合わせで驚きやショックを与える作品が誕生する。完成度を高めるために、組み合わせを五、六回変化させることは、しばしばである。趣のある工夫が凝らされたいい作品に出会った。

【全日写連会員の皆様よりフォト俳句の作品を募集します】

第29回いつでもどこでもフォト俳句(2025年11-12月合併号)の『締め切りは2025年9月10日』です。
第30回いつでもどこでもフォト俳句(2026年1-2月合併号)の『締め切りは2025年11月10日』です。

【投稿の方法】
応募は郵送(2Lサイズ)かメール添付(JPEG)で、
写真の裏に、①自作の俳句、②住所、氏名を明記してください。
一人5句まで。作品は返却しません。
〒104-8011 朝日新聞東京本社全日本写真連盟「フォト俳句」係
メール:ajaps@photo-asahi.com

 優秀賞「夢千代の眠る湯宿や夏の朝」 岩谷文勝(福岡県)

吉永小百合主演のNHKドラマで大人気だった『夢千代日記』。兵庫県のひなびた温泉地が舞台で物語は展開されます。その湯宿を旅しての一作で、物語の抒情に浸りながら過ごした朝に出会った花に、夢千代の数々の物語を思い起こしているようです。広島の原爆にゆかりのある夢千代であり、被爆80年の節目としての重みと情感のある見事な作です。

 入選「風はこぶ子ども神輿の声高ら」 福岡育代(東京都)

祭りの日、路地を散策していて、神輿を担ぐ子供たちの威勢のいい声が耳に届いたようです。しかし、目にした子たちへのおやつの数の少なさに、あの声は空耳だったかと思う作者です。少子化時代を感じさせるような象徴的な光景が悩ましく、趣のある作品に変化しています。

 入選「空梅雨や四季は何処へ吹き流れ」 小杉美千代(神奈川県)

異常気象に振り回されての実感です。四季の豊かな日本でありながら、温暖化の影響からか、季節感を失っているのが現状で、体調の変化を口にすることが多くあります。季節を感じさせるこの七夕飾りも、人々が目にすることなく過ぎたようで、寂しさが漂う作となりました。

 佳作

「静寂の湖畔にひとり夏の果」 嶋川龍雄(青森県)

「炎天下それでも喰らう熱きもの」 打越榮(茨城県)

「夏めきて風そよ吹きし葉陰かな」 北澤敏男(長野県)

「花言葉は薄れゆく愛夏に入る」 西村美枝(長野県)

「脳細胞溶け出すような土用かな」 中川富夫(京都府)

「春光や影が体にじゃれつきて」 松林義明(兵庫県)

 選者作例「新米の味を確かむ雀かな」 中谷吉隆(俳号 龍子)

そろそろ今年の新米が顔を見せる。小泉新農相は、米価高騰を抑え、国民に安価な米をと、備蓄米を放出するが、古米、古古米に古古古米も登場、家畜の餌ではないかとの声も出た。日本人にとって米は重要だから、今後の農政が懸念される。米の値段など知らぬ雀たちは、どんな案山子の脅しにも無関心に、今年の米の出来具合、とくに味に関心を寄せてはしゃいでいる。なんとも羨ましい限りの光景である。

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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