選評 中谷吉隆(写真家)
応募者数は減っていたが、応募作品の点数としては多く、それぞれに趣向が凝らされていた。感心したのは、その作者らしさを思わせる、志向性のあるコラボ作品があり、これは今後その作者の作風にもつながるものだから、ぜひ続けてもらいたいと思った。
いつものことだが、写真と俳句の組み合わせに季節感のズレがある作がいくつかみられ残念だった。
【全日写連会員の皆様よりフォト俳句の作品を募集します】
第29回いつでもどこでもフォト俳句(2025年11-12月合併号)の『締め切りは2025年9月10日』です。
【投稿の方法】
応募は郵送(2Lサイズ)かメール添付(JPEG)で、
写真の裏に、①自作の俳句、②住所、氏名を明記してください。
一人5句まで。作品は返却しません。
〒104-8011 朝日新聞東京本社全日本写真連盟「フォト俳句」係
メール:ajaps@photo-asahi.com
どれほど長くこの家庭料理、いやおふくろの味の店を続けていたのか、ママの背中にその歳月がしみ込んでいます。作者は、この味にほれ込み通い続けたに違いなく、「店を閉める」と告げられた時のショック。春も過ぎ去ろうとする夕暮れの情感のなかに、やるせない気持ちとせつない心情が渦巻き、打越イズムのある素晴らしい作品です。
満開の桜が枝を垂れる光景は美しく見事で、心もウキウキしてきます。この光景を独占するかのカヌーも羨ましい感じです。しかし、この川の流れに託す憂鬱さは何か。なんとも心情の深さを思わせる句です。句と写真とのこの落差がコラボを重層的に作り上げました。
昔から瀬戸内海は海路として、重要な役割を持ち、日中は大型、小型の船舶が激しく行き交っています。そういった光景を眺めながら、西に陽は傾はじめ、海中の魚たちに心を寄せているようです。瀬戸内、早春とくれば「寝る魚」は「鯛」でしょう。いい感じのコラボです。