優秀賞「ユビサキニツタワルコドウ初茜」 西村美枝(長野県)
浜辺で初日の出をハートで囲む二人。合わさった二人の指先を電子信号のごとくに心音が伝わります。冒険的なカタカナと漢字の俳句がユニークで面白く、昔の電文の表記を見る感じもして、指先を伝わる鼓動のリズムが聞こえてきます。こういった発想ができフォト俳句を楽しめるのも、ベテランの域に達している作者ならではでしょう。素晴らしい。
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入選「銀幕の下りし夜空に寒昴」 小杉美千代(神奈川県)
往年の銀幕スターの看板でしょうか、個性豊かな顔が並んでいます。お気に入りの映画を鑑賞し、眼裏に焼き付けた場面とともに館を出ての情感が感じられます。見上げた夜空の南の方向に輝く牡牛座の昴に、見終えて心に残るスターを重ねています。味わいのある作となりました。
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入選「老いて尚居場所が有りて春日かな」 松林義明(兵庫県)
超高齢化社会の今日にあって、孤老化が問題になっています。しだれ梅の名所でしょうか、ちらほらとある落ち椿の赤が緑に存在感を見せていて、本稿での最高齢者の居場所のようです。春の日を浴びながら、物心ともどもに豊かさを持ち、この庭を散策する作者の姿が見えてきます。
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佳作「白息の飛び交ふ激やラストラン」 嶋川龍雄(青森県)
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佳作「幾とせも続く風物冬ぬくし」 打越榮(茨城県)
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佳作「早春の未来を開く児童かな」 成田繁(埼玉県)
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佳作「冬日受く牝馬の睫毛ファンファーレ」 福岡育代(東京都)
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佳作「生きてこそ喜怒哀楽よ八十路春」 中川富夫(京都府)
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佳作「廃線の鉄橋渡りゆく枯葉」 神長誉夫(兵庫県)
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選者作例「さくらちるあゝさよふならさよふなら」 中谷吉隆(俳号 龍子)
富士山と桜は日本人に馴染み深く、その名を冠の企業名や商品が多い。写真の大学に入り世話になったのが、小西六寫眞工業製の「SAKURA FILM」と富士寫眞フイルム製の「FUJI FILM」。前者は後に社名もコニカとなる。昔のフィルムを整理していると、ネガに「SAKURA FILM」の印字があり懐かしい。まもなく戦後80年、良寛和尚の辞世の句とされ、特攻隊員に愛誦されえた〈散る桜残る桜も散る桜〉を思い出す。
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