優秀賞「夏の夜の哀愁誘ふ笛太鼓」 嶋川龍雄(青森県)
八月のお盆に行われる「黒石よされ」。徳島の阿波踊り、岐阜の郡上踊りと、日本三大流し踊りの一つで町中が賑わいます。男女の恋の掛け合いからはじまったとも言われ、津軽弁の唄には味わいがあります。山車の三味線弾きと提灯の画面にインパクトと雰囲気があり、歴史ある踊りへ寄せる想いの句と響き合います。味わい深い作となりました。
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入選「女心ふいに顔出す溽暑かな」 西村美枝(長野県)
色鮮やかなレンゲツツジの雄しべにピントを求めてのクローズアップ。作者としては珍しく花を題材にしての作。撮影中に女心が動いたとのこと。女心とはなかなか理解しえないところがありますが、これも溽暑という不快な暑さのせいでしょうか。心情を見事に一作としています。
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入選「昼休みほっと一息風薫る」 岩谷文勝(福岡県)
いいですねー若葉に囲まれた小枝の上で、いい風を感じながら昼休みしている猿クンは、作者の化身でしょう。こんな情景を見ていると、都会の喧騒から逃げ出したくなります。この擬人化が実に効いた作で、こういった発想が生まれてくると、作品づくりの幅が広がっていきます。
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佳作「ようそろう視界良好夏の海」 打越榮(茨城県)
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佳作「強面の漁師の笑くぼ南吹く」 福岡育代(東京都)
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佳作「卒業子最後の郷の凪を往く」 神長誉夫(兵庫県)
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佳作「婦人部の粉もん人気宵祭」 松林義明(兵庫県)
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佳作「今年こそ断捨離決意寒に入る」 中川富夫(京都府)
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佳作「夕間暮れ夏の終わりのハーモニー」 小杉美千代(神奈川県)
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選者作例「少年のこころ今なほ敬老日」 中谷吉隆(俳号 龍子)
私は一九六三年に中南米の日本人移民を取材し、帰国後『蒼氓(そうぼう)60年』の個展を開いた。それから約六十年が経ち、今日の日本ではその子孫である日系人が各分野で活躍している。それを取材した『125年の絆―日本で活躍する中南米の日系人の今日―』の写真展(古い写真と共に)が十月四日から二週間、富士フイルムフォトサロン東京で開かれる。ご覧下さい。
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