全日本写真連盟

第22回いつでもどこでもフォト俳句

選評 中谷吉隆(写真家)

【総評】
写真、俳句とも、写生、写実的、心象、心情的な捉え方をします。この組み合わせが、例えばスナップや風景でも写実したものに写生句を合わせると説明調になりやすく、注意が必要です。このコラボの妙味が「フォト俳句」の楽しみでもあります。そして何より新鮮味が大切です。私も常に、芭蕉の「新しみは俳諧の花なり」を心に置いています。

【全日写連会員の皆様よりフォト俳句の作品を募集します】
第24回いつでもどこでもフォト俳句(2025年1-2月合併号)の『締め切りは11月10日』です。
【投稿の方法】
応募は郵送(2Lサイズ)かメール添付(JPEG)で、
写真の裏に、①自作の俳句、②住所、氏名を明記してください。
一人5句まで。作品は返却しません。
〒104-8011 朝日新聞東京本社全日本写真連盟「フォト俳句」係
メール:ajaps@photo-asahi.com

 優秀賞「夏の夜の哀愁誘ふ笛太鼓」 嶋川龍雄(青森県)

八月のお盆に行われる「黒石よされ」。徳島の阿波踊り、岐阜の郡上踊りと、日本三大流し踊りの一つで町中が賑わいます。男女の恋の掛け合いからはじまったとも言われ、津軽弁の唄には味わいがあります。山車の三味線弾きと提灯の画面にインパクトと雰囲気があり、歴史ある踊りへ寄せる想いの句と響き合います。味わい深い作となりました。

 入選「女心ふいに顔出す溽暑かな」 西村美枝(長野県)

色鮮やかなレンゲツツジの雄しべにピントを求めてのクローズアップ。作者としては珍しく花を題材にしての作。撮影中に女心が動いたとのこと。女心とはなかなか理解しえないところがありますが、これも溽暑という不快な暑さのせいでしょうか。心情を見事に一作としています。

 入選「昼休みほっと一息風薫る」 岩谷文勝(福岡県)

いいですねー若葉に囲まれた小枝の上で、いい風を感じながら昼休みしている猿クンは、作者の化身でしょう。こんな情景を見ていると、都会の喧騒から逃げ出したくなります。この擬人化が実に効いた作で、こういった発想が生まれてくると、作品づくりの幅が広がっていきます。

 佳作

「ようそろう視界良好夏の海」 打越榮(茨城県)

「強面の漁師の笑くぼ南吹く」 福岡育代(東京都)

「卒業子最後の郷の凪を往く」 神長誉夫(兵庫県)

「婦人部の粉もん人気宵祭」 松林義明(兵庫県)

「今年こそ断捨離決意寒に入る」 中川富夫(京都府)

「夕間暮れ夏の終わりのハーモニー」 小杉美千代(神奈川県)

 選者作例「少年のこころ今なほ敬老日」 中谷吉隆(俳号 龍子)

私は一九六三年に中南米の日本人移民を取材し、帰国後『蒼氓(そうぼう)60年』の個展を開いた。それから約六十年が経ち、今日の日本ではその子孫である日系人が各分野で活躍している。それを取材した『125年の絆―日本で活躍する中南米の日系人の今日―』の写真展(古い写真と共に)が十月四日から二週間、富士フイルムフォトサロン東京で開かれる。ご覧下さい。

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
EPSON

English Information

2022/08/01
About The All-Japan Association of Photographic Societies
contact

〒104-8011
東京都中央区築地5-3-2
朝日新聞東京本社内 全日本写真連盟事務局
TEL:03-5540-7413