選評 中谷吉隆(写真家)
写真を見ながら作句したような、写真説明から抜け出ていない句が多く見られました。また無季句、二重季語句もありましたが、この稿では一つの季語を使った五七五を基準としています。
お知らせです、次回からの応募作品の締め切り日が10日になります、注意して下さい。
【全日写連会員の皆様よりフォト俳句の作品を募集します】
第21回いつでもどこでもフォト俳句(2024年7-8月合併号)の『締め切りは5月10日』です。
第22回いつでもどこでもフォト俳句(2024年9-10月合併号)の『締め切りは7月10日』です。
【投稿の方法】
応募は郵送(2Lサイズ)かメール添付(JPEG)で、写真の裏に
①自作の俳句②住所、氏名を明記してください。
一人5句まで。作品は返却しません。
〒104-8011 朝日新聞東京本社全日本写真連盟「フォト俳句」係
メール:ajaps@photo-asahi.com
口語調の俳句がいいですネ。春らしくなり、気持ちもなんとなくウキウキとしてきます。鳥の写真の組み合わせも良く、春の季語「鳥の恋」をイメージします。しかし、この鳥は作者の化身で擬人化だと思うと、作品に広がりと奥行きがでてきます。春への心境を直接的ではなくひとひねりしていて、面白いコラボとなり、さすがベテランと感心しました。
無機質的な都会の中に、気持ちを和ませる時空間があります。夕やけ時のビル群と屋形船が作り出すコントラストのあるこの場所もその一ヶ所。都会のあわただしさの現実から解放され、春の夕暮れに、ぶらぶらとこの光景を眺めていたのでしょう。癒しと雰囲気のある味わい深い作です。
墨堤の墨は隅田川のこと。その東側の向島、西側の浅草には花柳界があり、永井荷風が親しんだところです。桜の時期には芸者衆がもてなす茶屋も登場し、お茶とお菓子で豊かな時間が過ごせます。南京玉すだれの芸を印象的に撮っていて、華やかさの漂う周辺の賑わいが伝わってきます。