優秀賞「一年の憂さを晴らせり大三十日」 小川吾一(長崎県)
屋台風のおでん屋での憂さ晴らしとはいいですネ。年配の主人であれば、聞き上手でもあり、物知りも多く、知らず知らずの間に、自分のつらかったことなどどこかに吹っ飛び、いい酒になるでしょう。作者もそんな経験の持ち主ではないかと思いました。大晦日の思い出を記した一作ではないでしょうか。味わいの深さがあります。
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入選「小吉や笑顔こぼれて春立ちぬ」 小杉美千代(神奈川県)
縄にしっかりと結ばれた御神籤。大吉であれば満願の笑顔でしょうが、小吉で笑顔とは、凶でなくて良かった、いや気にしている運勢か縁起に納得できた?謎解きのような話ですが、そう今日は立春、天が祝う立春大吉を思っての笑顔だったのかも知れません。あれこれと想像させる作です。
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入選「神つどひ初凪願ひ漕ぎ出す」 中川富夫(京都府)
七福神が勢ぞろいしての船出、まさに宝船です。京都八坂神社の「祇園えべっさん」で、商売繫盛を祈願しての行事。もしかすると初凪に能登地震で海底が隆起して壊滅した漁業関係や朝市通りなどをはじめ被災地の一日も早い復興祈願のための出港のようにも思える、タイムリーな作でした。
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佳作「あれこれと仕上げ捗る冬日和」 嶋川龍雄(青森県)
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佳作「青菜入れ清まし仕立ての雑煮かな」 打越榮(茨城県)
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佳作「柏手の幼き音や初詣」 福岡育代(東京都)
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佳作「しんしんと山の暮らしや温め酒」 西村美枝(長野県)
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佳作「親の歳遥かに超えて秋うらら」 松林義明(兵庫県)
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佳作「幸せのおすそ分けする秋日和」 岩谷文勝(福岡県)
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選者作例「芸達者揃ひに揃ふ花筵」 中谷吉隆(俳号 龍子)
コロナ禍は本当にもう大丈夫?マスク着用者はめっきりと減少。町の賑わいは戻り、各地の催事ものや祭り、イベントなども再開。外国人の観光客も増加し、経済効果が期待されている。さあ春だ、日本人にとって切り離せない花見の会も、この数年自粛されていただけに、そのうっぷんを晴らすように歌や踊りを交えて賑わうのではないだだろうか。
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