全日本写真連盟

新潟県本部第45回支部対抗写真コンテスト

審査 総本部事務局長 久松弘樹

総評
 新潟県らしい豊かな自然、その中で育まれた文化、そしてその中で生きていらっしゃる人々の表情。それらが見事に表現された作品が、出展されていたと思います。今回気づいたのは、昨今は撮影した写真を見てレタッチソフトで修整して作品を完成させがちなところですが、撮影段階からどういう作品に仕上げるかというイメージをしっかり持って、撮影時に構図から、レンズ選択、露出を計算し、撮影後のレタッチ、トリミングも緻密に考えて撮影し、仕上げられた作品が多く出展されていたと思います。また、水平垂直をしっかり構えて撮影され、映っている被写体により集中して鑑賞できる作品が多く、全体として丁寧に仕上げられた作品が多く見られました。日々、会員の皆さん同士が、写真を持ち寄って講評しあっていることが、表現や技術の向上につながっていること、と感じました。

 大賞「幻影列車」 長谷川真一(五泉支部)

夕暮れの田植えを終えたばかりの田んぼの水面に写る列車をとらえた作品です。米どころの新潟では、初夏の頃、清々しく広がる空を背景に、水をたたえた田園を列車が通り過ぎる風景が、とても絵になります。作者は、撮影時から水面に映った列車を上下逆転して表現することをイメージ。ファインダー内では正像の部分を外し撮影。時間帯も茜色の夕空となり列車もシルエットになる時間を選び、シンプルな色構成となり印象的な作品に仕上がりました。流し撮りで稲の列がぶれて、帯となり、列車の背後から光芒が広がっているようにも感じます。

 朝日新聞社賞「里山の朝の出逢い」 佐藤権(長岡支部)

山間に棚田が点在する長岡市の山古志地区で撮影された里山の風景です。たまたまいい場面に出会いバシャリと撮った写真ではなく、農家のご夫婦、軽トラック、農機具を、緻密に計算して配置したポートレート写真でもあります。木々の合間から山々を望む場所を計算してロケハンし、ご夫婦も影になることない立ち位置で、スタジオで撮ったような写真とも感じます。画像処理も、暗部を落としすぎずシルエットになり、映るべきところもしっかり出された、素晴らしい作品浮かび上がっています。

 全日本写真連盟賞「うれい」 近藤正義(柏崎支部)

薬を手にするお父様の手を、撮影した作品です。日々薬が欠かせなくなった今に憂いながらも、ふと薬の小包を手にした自身の手の皺に、我が人生を振り返る、お父様の想いが滲み出てた作品です。光が手のひらに逆光で入り、皺一本一本が浮き出て、重ねられた時間を感じさせます。画像処理も、周辺を自然に落とし、薬の包み紙は白く飛ばし、手の皺が強調されお父様の「表情」も感じさせる、モノクロならではの作品です。

 金賞「鬼面牛」 明道進二(県央支部)

最初見ると、一頭の牛がこっちを見ているのかと思いましたが、長岡市山古志地区の牛の角付きで、牛が頭をぶつけている場面です。角付きはとても迫力があり、牛の大きさを表現するため体全体を見せる構図が多いですが、あえて大胆に頭の部分のみを切りとる構図で、何だろうと思わせる効果が出ている作品です。少しブレも出ていますが、逆に荒々しさの効果が出ています。牛の顔を合わせた左右対称になる効果を持って、タイトル通り「鬼面」の表現に仕上がっています。

 銀賞

「夕照の魚沼三山」 中條誠(十日町支部)

「出番待ち」 永嶋肇(新潟支部)

「家路」 村山博(個人会員)

 銅賞

「朱に染まる」 野澤和幸(中条支部)

「復興の手筒花火」 佐藤俊男(柏崎支部)

「はかない友」 小林英子(加茂支部)

「土用の頃」 樋口八重子(加茂支部)

「コロナ禍」 樋熊フサ子(十日町支部)

「雪桜こんな事めったにない」 渡辺恵子(加茂支部)

全日本写真連盟からのお知らせ

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24/6/13 第41回「日本の自然」写真コンテストについてのお知らせ
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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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