審査員 小林 進(全日本写真連盟 関東本部委員)
応募者数82名 応募総数153点
★会員・一般の部 32名(102点)
★学生の部 50名(51点)
毛槍を回す二人の若者が、暗い鳥居の奥から現れ出て見栄を切る、その瞬間を見事に捉えた迫力のある写真です。二人の表情も良く、片足立ちで毛槍を持つ若者の力強さが、祭りに伝統の重みを与えているかのようです。背景の人物や鳥居もじゃまにならず、二人をうまく盛り上げています。
二人は兄妹なのでしょうか?お兄ちゃんのマネをして口に手を当て何か声を発している表情が可愛いですね。桜並木での一コマを、適正なボケを使って柔らかくメルヘンタッチに仕上げました。はらはらと散る桜花も二人にとって大切な時間であることをおしえてくれています。
囃子屋台で踊る若者はまだ十代のようで活き活きと瑞々しい感じがします。踊っている曲も音頭や民謡ではなく、今風の曲なのかも知れません。夜間での撮影が余分な背景を排し、必要な要素だけをしっかりと浮かび上がらせています。シャボン玉が効果的で、まるで夢の中での出来事のようです。
「狙う」 樋渡博(新庄市)
流鏑馬を流し撮りで捉えた写真ですが、射手の目にしっかりとピントが合っていて、射手の真剣な表情が見て取れます。艶やかな射手の服装もそうですが、様々な色を混ぜ合わせたような流れる背景がとても美しく、素晴らしい作品となりました。