海外15カ国から出品され、1927年に始まった「国際写真サロン」(朝日新聞社・全日本写真連盟主催)の第78回の審査がこのほど行われ、審査委員特別賞(海外、国内各3点)を含む海外作品75点、国内作品45点、U30部門11点計131点の入賞・入選が決まった。海外はイランの1117点を最多に、39カ国・地域から4593点、国内からは4149点、U30部門は468点、総計9210点の応募があった。
今年新設したU30部門は30歳以下を対象にしたウェブ応募。
今年は新部門として「&TOKYO部門」(全日本写真連盟・朝日新聞社主催、東京都・公益財団法人東京観光財団共催)が加わった。「&TOKYO」とは東京の魅力を国内外に向けて発信する「東京ブランド」確立のためのキャッチコピー。東京を舞台に五つの価値を表現した作品を募集し、1236点の中から、最優秀賞の&TOKYO賞を含む26点の入賞が決まった。
来年3月から全国12カ所で巡回展示される。
【審査委員】(肩書きは審査時のもの)
審査委員長 田沼武能(全日本写真連盟会長、写真家)
安珠(写真家)
熊切圭介(日本写真家協会会長、写真家)
佐藤時啓(東京芸術大学美術学部教授、写真家)
白鳥真太郎(日本広告写真家協会会長、写真家)
大野明・朝日新聞東京本社映像報道部長
小林正明・朝日新聞大阪本社映像報道部長
佐藤親正・全日本写真連盟関東本部委員長
山中健次・全日本写真連盟関西本部委員長
【総評】
世代が変わり、感性も変わってきたのだろう。バングラデシュやイラン、インドの作品が多かったが、内容に変化が見られ、子どもと老女などの定番が少なかった。ヨーロッパも毒々しい印象の作品が身を潜め、デジタル加工も自然だ。全般的に社会状況を捉えたものが多く、今世界で起きていることを伝えたいという強い気持ちを感じた。国内の作品は人間の作り出すおかしさやユーモアを感じさせるなど、自由度が高いものが多かった。日本人は器用なのか、デジタルをずいぶん自由に使いこなしていると感心した。
第78回国際写真サロン巡回展のご案内