全日本写真連盟

第71回国際写真サロン(国内)

 第71回「国際写真サロン」(朝日新聞社・全日本写真連盟主催、キヤノン株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社協賛)の審査がこのほど行われ、審査委員特別賞6点(海外、国内各3点)を含む海外作品80点、国内作品50点、計130点の入賞・入選が決まりました。海外はインドの1371点を最多に40カ国から4954点、国内からは3676点、総計8630点の応募があり、写真家の田沼武能氏ら12人が審査しました。
 入選作品の内訳は、海外ではインドの13点を最高に、ベトナム9点、イラン8点、ハンガリー5点、バングラデシュ、ミャンマー(ビルマ)各4点、韓国3点でした。
 国内では、埼玉、愛知、大阪の各6点が最高で、兵庫、福岡が各4点と続きました。

[総評・講評]審査委員長・田沼武能
General Review and Reviews of Individual Works: Takeyoshi Tanuma, Screening Committee Chairman

 71回の歴史を持つ国際写真サロンは、芸術的な写真が対象で、合成・加工も認められている。それだけに想像力、構成力、アイデアを駆使した写真が応募される。審査委員たちは毎年、どんな作品に出会えるか発見の喜びがある。
 国内の作品は以前に比べ、デジタル写真が増え、加工したものが多く見られた。力量的には全体にレベルアップしており、最終選考に残ったものは、甲乙つけがたかった。その中で新鮮なアイデア、表現内容のしっかりした、見る人の心をうつ作品が栄冠を獲得した。
 海外の作者、ことにヨーロッパの作家は、サロン写真に慣れており、発想が自由で、おもしろさに富み、水準が高かった。各国ごとに特色があり、イランは大地にしっかり足をつけた視点のリアリズム写真が印象に残った。また、リトアニアやハンガリーは戦前からの写真の伝統を引き継ぎ、対象にしっかりと向き合って撮っていた。その半面、旧来の作品を踏襲した古いタイプの写真もあった。アジア地域では、経済発展の著しいインド、ベトナム、バングラデシュ、イランからの応募が多く、作品に活力を感じた。
 来年も思い切った写真美に挑戦して、応募してほしい。

 審査委員特別賞「明日を夢見て」 斉藤貴(東京都)

いかにもアジアの美容院らしい色彩が、画面にあふれている。美人ポスターを張り巡らした華やかな店だが、よく見ると疲れ果てて寝ていたりしている。足を上げて髪を洗ってもらう女性など、一見軽く見えるが、現実社会の厳しさが感じられる。

“Dreaming of Tomorrow”
Colors like one would find in an Asian beauty parlor fill the image. The shop is flashy with posters of beautiful wo

 審査委員特別賞「未来の乱舞」 沼島専也(大阪府)

 もし、南アのW杯で日本が大活躍していたら、このような光景が見られたかもしれないと、2002年の大阪の道頓堀川に飛び込むサッカーファンを素材に作りあげたパロディー風作品。浴衣姿の女性を端に入れ、たくさんの飛び込む人たちを画面に散らした光景は現代アートに通じるものがある。

“Boisterous Dance of the Future”
If Japan had put on a better performance at the South Africa World Cup, perhaps we

 審査委員特別賞「花見」 大野義人(山口県)

 熊本・阿蘇の一心行の大桜に夜、ストロボを多重発光したものと、自宅庭での家族との食事風景の写真とを合成作画した作品。「こんな花見の宴が家族で開けたら、すばらしいなあ」との思いを映像化しており、桜を画面いっぱいに、その片隅で開く宴を小さく入れ込んだバランスがよい。

“Flower Viewing”
This work is a composite of the giant sakura (cherry blossom) tree called Isshingyou No Ohzakura in As

 入選

「湯治親子」 村上吉秋(岩手県)

「宇宙遊泳」 増田智恵(茨城県)

「田植の頃」 鈴木是清(栃木県)

「A lovely calf」 斎田和夫(埼玉県)

「幻想」 池田一郎(埼玉県)

「ラビリンス」 中澤博(埼玉県)

「人生」 石橋哲子(埼玉県)

「おれの祭り」 菊池博子(埼玉県)

「恥らいの頃」 箕田俊子(埼玉県)

「漂流」 柴崎康夫(千葉県)

「波頭を砕いて」 福澤憲一(千葉県)

「親離れ」 村上宰(千葉県)

「寒々」 伊藤徳和(富山県)

「元気な船出」 井村稔(長野県)

 

「家族」 伴野雄三(静岡県)

「セミ捕り」 山田康(静岡県)

「仲良くしましょう」 水谷サコ(静岡県)

「少女剣士」 西原博子(愛知県)

「海のハーモニー」 伊藤久幸(愛知県)

「朝稽古」 安藤宏幸(愛知県)

「ジャンプ」 稲富弘之(愛知県)

「休息」 垰本照代(愛知県)

「新開地」 大原守(愛知県)

「ひととき」 牛場和美(三重県)

「ビーチ仮面」 伊藤邦郎(三重県)

「今様」 加藤洋子(三重県)

「笑顔満開」 木村正司(滋賀県)

「たそがれの刻」 西本雅一(京都府)

「BODY」 林栄之(大阪府)

「サンバの余韻」 魚野眞史(大阪府)

「ギョッ!」 今井清博(大阪府)

「擁壁」 高橋一郎(大阪府)

「巣立つ」 辻修司(大阪府)

「街の片隅」 力富枝(兵庫県)

「祇園の正月」 飯尾寿久(兵庫県)

「人間模様」 梶原幹男(兵庫県)

「ハイポーズ」 横部広幸(兵庫県)

「夜の街角」 高谷英男(奈良県)

「吹雪く」 山下廣子(和歌山県)

「親父の風格」 高道雅義(岡山県)

「夏宵」 松本照和(福岡県)

「魚を待つ鳥達」 井上林(福岡県)

「予感」 黒岩和夫(福岡県)

「夏祭り」 檀上善一(福岡県)

「絆」 首藤健富(熊本県)

「行者出迎え」 山根博義(大分県)

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2022/08/01
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