全日本写真連盟

▶第84回 国際写真サロン 国内部門 受賞作発表

 第84回国際写真サロン(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟 、賞品協賛:キヤノンマーケティングジャパン株式会社)の審査があり、審査委員特別賞(海外、国内各3点)を含む海外作品55点、国内作品46点、計101点の入賞が決まりました。サロンは1927(昭和2)年、海外15カ国からの出品によって始まりました。海外からは専用ウェブサイトで応募を受け付け、イランの944点を最多に66カ国・地域から3,933点が集まりました。国内からは3,696点の応募があり、応募総数は7,629点にのぼりました。

【審査委員】 ※肩書は審査当時
安珠 (写真家)
榎並悦子 (全日本写真連盟副会長、写真家)
佐藤時啓 (東京芸術大学美術学部教授、写真家)
白鳥真太郎 (日本広告写真家協会会長、写真家)
山中健次  (全日本写真連盟関西本部委員長)
加藤丈朗  (朝日新聞東京本社映像報道部長)
中田 徹   (朝日新聞大阪本社映像報道部長)
久松弘樹  (全日本写真連盟総本部事務局長)

【総評】
 今年は例年の傾向とは異なり、自分が新しく発見した被写体を題材に仕上げた作品が目立った。国際写真サロンは、合成など画像加工で作り込んだ作品の応募が可能で、過去にはそうした作品が上位入賞してきただけに、ある意味で新鮮な印象を受けた。
 世界的に見れば、新型コロナは完全には終息しておらず、各地では大きな戦争が続いている。悲観したくなるような状況だが、日常を切り取った明るい写真が多く、作品に込めたその大切さや喜びは、見る人たちに希望を感じさせる。
 ここ数年、AI画像が広がりを見せるようになってきたが、デジタルでは表現できない、血の通った、人間味のある自然な作品が入賞したのも今回の特徴だ。一方で、作品全般を見ると、より上位を目指すためには、写真の仕上げがうまく、インパクトがあるというだけでなく、見る人に訴えたり、想像させたりする要素も必要だろう。

審査委員特別賞=SPECIAL PRIZE
入選=HONORABLE MENTION
U30最優秀賞=U30 FIRST PRIZE

▶第84回 国際写真サロン巡回展のご案内

▶作品集販売のお知らせ

 審査委員特別賞「盛夏」 中道 ちあき (和歌山県)

「Midsummer」Chiaki Nakamichi /Wakayama
 フレーミングが粋だ。子どもの頭の上には入道雲があり、夏らしさがサングラスに映り込んでいる。右側の部分に建物を配置すれば、ポスターになりそうな作品になっている。非常にシンプルだが、伝えたい「盛夏」の表現に成功している。写っていないにもかかわらず、サングラスの映り込みが海を感じさせる。
 The framing is chic. There is an iridescent cloud over the child's head, and the summery atmosphere is reflected in the sunglasses. If a building were positioned on the right side of the image, the work could have been used as a poster. It is very simple, but it succeeds in expressing the "midsummer" mood the artist wants to portray. Even though the sea is not in the picture, the reflection of the sunglasses gives the impression of the sea.

 審査委員特別賞「スマホに興味」 江川 多嘉(栃木県)

「nterested in smart phones」Taka Egawa /Tochigi
 構図が秀逸だ。普段、あまり自撮りをしないかもしれない女性が、二宮金次郎の像とツーショット写真に臨んでいる場面を写し込んだ一コマ。まるで、この写真のために作られたかのような像が、まさにスマホをのぞき込んでいる姿は、誰が見ても思わずクスクスと笑ってしまいたくなる楽しい作品だ。
 The composition is outstanding. This is a shot of a woman who might not normally take many selfies, taking a two-shot photo with the statue of Kinjiro Ninomiya. The appearance of the statue, which looks as if it was made for this photo, peering into the phone, makes everyone unintentionally giggle at this fun piece of work.

 審査委員特別賞「ほら! 虹が…」 西村 充康(奈良県)

「Look! Rainbow is...」Mitsuyasu Nishimura /Nara
 車内、プラットホーム、空が一つの空間として集約されていて、構成が非常に巧みで、奥行きも感じられる作品だ。虹や学生など、どれか一つでも欠けてしまったら成立しないほど、まとまっている。雨あがりに学生が降り立つ姿は、希望とともに未来に向かう姿のようにも見え、映画のワンシーンを想像させる。
 The interior of the car, the platform, and the sky are integrated as one space. The construction of the picture is very sophisticated, and one can feel a sense of depth in this work. The work is so coherent as to be impossible if any one element, such as the rainbow or the students, is missing. The sight of the students landing after the rain looks like she is heading toward the future with hope, and it makes one imagine a scene from a movie.

 U30最優秀賞「Sea board」 曳地 正刀(三重県)

「Sea board」Masato Hikichi /Mie
 見た瞬間「なんだろう?」と思わせる不思議さがあり、構図も良い。作者は画像処理のテクニックにたけていると思われるが、あえてノイズを残すような作品に仕上げたようだ。海の青さを見せるのと同時に、空を緑がかったように表現している部分もうまい。こうした作風は、今後のさらなる成長を期待させる。
 Upon seeing it, one wonders, "What is it?" The composition is also good. The photographer seems to be skilled in image processing techniques, but seemed to have dared to leave some noise in the work. At the same time as showing the blueness of the ocean, the sky is expressed as if it were greenish, a skillful touch. One can expect further growth of the photographer from this style.

 入選

「少女」 藤島 純七(宮城県)
(Girl) Junshichi Fujishima /Miyagi

「雪の怪物」 佐藤 義敏(秋田県)
(Snow monster) Yoshitoshi Sato /Akita

「悪れ子はいねがあ~」 浅黄 成美(山形県)
(Are there any bad kids?) Narumi Asagi /Yamagata

「祭り日の配達」 池上 和夫(福島県)
(Delivery on the festival day) Kazuo Ikegami /Fukushima

「春の宵」 佐海 忠夫(栃木県)
(Spring Evening) Tadao Sakai /Tochigi

「好きな花」 古怒田 潔(埼玉県)
(Favorite flower) Kiyoshi Konuta
/Saitama

「幸せのかたち」 竹川 義之(埼玉県)
(The Shape of Happiness) Yoshiyuki Takekawa /Saitama

「氷界」 新井 房子(埼玉県)
(Ice World) Fusako Arai /Saitama

「帰り道」 古清水 輝光(千葉県)
(A way back home) Terumitsu Koshimizu /Chiba

「はじめまして」 栗山 ゆきの(東京都)
(Nice to meet you) Yukino Kuriyama /Tokyo

「とうめいな輪郭をなぞる」 山崎 朋美(東京都)
(Tracing a transparent outline) Tomomi Yamazaki /Tokyo

「Waiting for Spring」 大久保 真理子(東京都)
(Waiting for spring) Mariko Okubo /Tokyo

「駆け上がる皆既月食」 竹端 榮(神奈川県)
(Total lunar eclipse rushing up) Sakae Takehana /Kanagawa

「残雪奇跡」 山内 和子(福井県)
(Lingering Snow Miracle) Kazuko Yamauchi /Fukui

「閑日」 堀江 柾夫(岐阜県)
(A quiet day) Masao Horie /Gifu

「垣間見る」 吉田 照人(長野県)
(A glimpse) Teruto Yoshida /Nagano

「家路」 南波 進(静岡県)
(Road home) Susumu Nanba /Shizuoka

「ゴジラ吠える」 水谷 サコ(静岡県)
(Howling Godzilla) Sako Mizutani /Shizuoka

「時間旅行」 谷本 和彦(愛知県)
(Time Travel) Kazuhiko Tanimoto /Aichi

「大蛇」 竹内 静惠(三重県)
(The Giant Serpent) Shizue Takeuchi /Mie

「天高く」 加藤 清史(三重県)
(High up in the sky) Kiyoshi Kato /Mie

「我が家の背くらべ」 坂尾 富司(三重県)
(My Family's Height Competition) Tomiji Sakao /Mie

「のれん」 林 知子(三重県)
(Through the store curtain) Tomoko Hayashi /Mie

「祈り」 西尾 明(三重県)
(Prayer) Noboru Nishio /Mie

「Mood」 井口 達也(滋賀県)
(Mood) Tatsuya Iguchi /Shiga

「銀河鉄道ファンタジー」 和久 秀輝(京都府)
(Galaxy Express Fantasy) Hideki Waku /Kyoto

「Who am I ?」 笹部 耀古(大阪府)
(Who am I ?) Hikaruko Sasabe /Osaka

「美味しそう!」 田村 福資(大阪府)
(Looks yummy!) Fukuji Tamura /Osaka

「ママとキック」 中島 威(兵庫県)
(Kicking with Mom) Takeshi Nakashima /Hyogo

「供養」 上田 節子(奈良県)
(Memorial Service) Setsuko Ueda /Nara

「プラットホーム」 榎本 隆志(和歌山県)
(Platform) Takashi Enomoto /Wakayama

「仏花を発見」 長尾 進(岡山県)
(Finding a flower for Buddha) Susumu Nagao /Okayama

「足音」 藤田 学(広島県)
(Footstep) Manabu Fujita /Hiroshima

「怪奇」 岡本 早苗(徳島県)
(Horrifying) Sanae Okamoto /Tokushima

「好奇心」 那須 裕一朗(福岡県)
(Curiosity) Yuichiro Nasu /Fukuoka

「フィーディングタイム」 水島 智子(福岡県)
(Feeding Time) Chieko Mizushima /Fukuoka

「パフォーマンス」 井上 眞由美(福岡県)
(Performance) Mayumi Inoue /Fukuoka

「祭りの日」 真角 伸子(福岡県)
(The day of the festival) Nobuko Masumi /Fukuoka

「トンボ狩り」 大原 紘一(福岡県)
(Hunt for Dragonflies) Kouichi Ohara /Fukuoka

「風の笛」 増田 俊次(福岡県)
(Wind whistle) Shunji Masuda /Fukuoka

「楽しい休日」 森田 昭代(福岡県)
(Happy holidays) Akiyo Morita /Fukuoka

「夕陽輝く」 安部 民子(大分県)
(Shining Sunset ) Tamiko Abe /Oita

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
24/1/24 第84回国際写真サロンについてのお知らせ
総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック発行
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
EPSON

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2022/08/01
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