審査 関東本部委員 高木サダ子
岬の岩間をシンメトリーのフレーミングで構図を決めています。うまく漁船の シルエットが入り叙情的な作品になりました。オレンジ色の鮮やかな画面ですが朝の空気感も出ています。作者の思い描いた撮影ができてよかったですね。
待ちに待った春の訪れを、絶好のロケーションから俯瞰して撮影しています。満開の桜は春の香りいっぱいの季節感があふれています。雪山のシャープさ、電車の彩、全体の対比から手慣れたうまさを感じる作品です。
手袋を咥(くわ)えたキツネは、宙を飛ぶ忍者のようで面白いです。このように突然に 訪れるシャッターチャンス。面白いと思う瞬間に押せるのは素晴らしいことです。この後の展開はどうなったかと思うと楽しくなります。
オーソドックスですが、光を見極めてコントラストを生かした画面作りがいいです。空の面積を少なくして、木々の力強さと光を受けた鮮やかな紅葉、光芒のインパクト。シャドーで写真全体を引き締めています。
「若葉繁る水没林」 荒木賀久(白石市)
「家族」 赤間多賀子(多賀城市)
「秋の気配」 原田雅博(仙台市)
「鳴子峡」 五十嵐義雄(大崎市)
「参道凍結」 神久德(仙台市)
「霧の中に咲く」 横田弘(塩釜市)
「悠然」 山本正彦(仙台市)
「真紅の炎上」 越後勲(仙台市)
「柔らかな雪の紋様」 齋藤一男(仙台市)
「珍客」 林茂(仙台市)
「気嵐に霞む港」 武田勍(石巻市)
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