審査 写真家・関東本部委員 熊切大輔
千葉県本部の最大のイベントである第48回千葉県民写真展の入賞作品の審査が行われ、自由・課題(今年の課題は夕景・夜景)・ネーチャー・高校の4部門について、写真家 熊切大輔氏の審査により合計90点の入賞作品が選定されました。
第48回千葉県民写真展は以下のとおり行われます。
日時:令和6年2月27日(火)~3月3日(日)9時~16時30分
会場:千葉県立美術館
火縄銃でしょうか。射撃したあとの火の粉が舞い、落ちてきた瞬間を見事に捉えました。射手の満足げな表情も味わい深く「上手くいった!」といった心の声が聞こえてきそうです。こういう時はついつい説明的に引いた画になりがちですが、思いきって寄りきったことで火の粉と煙の表情を印象的に表現することができました。
静かな海を見つめる一組のカップル。青春映画の一コマのようです。何と言っても二人の距離感が絶妙で、関係性を色々想像させてくれます。写真は一瞬の表情を切り撮るものだけに、見るものの想像力を借りて作品として完成するものです。そんな想像力をくすぐるような表現となりました。縦位置の構図で空のグラデーションをたっぷり入れたところも良いポイントです。
相馬野馬追の様子でしょう。非常に力強い作品です。馬の躍動感もさることながら、騎手の表情も迫力があり、パワフルな表現となりました。ここで良いポイントは、被写体への寄り具合です。ノボリを背負っているので引きたくなりますが、余計な観客の背景がはいり間延びした構図になってしまいます。迫力重視で寄り切ったところが良かったのではないでしょうか。