審査 写真家・全日本写真連盟副会長 榎並悦子
【総評】
四季折々の自然の美しさを、工夫を重ね一枚に切り撮った作品はどれも魅力にあふれていました。中でも斜光線を生かした作品は完成度が高かったと思います。祭やスナップも光を意識したものはより印象強い作品に仕上がっていました。また、県内初のコウノトリ誕生ニュースの影響もあってか、野鳥をとらえた作品が多かったことが今年のコンテストの特徴であったように思います。
心身を洗い清めようと海に向かう男たち。防波堤には神事を見守る人たちがいるようで、その影が裸体に映り込んでいます。ともすれば邪魔になりがちな影ですが、ここでは見物人との一体感を生むという効果をもたらしています。白波をとらえたタイミングもいいですね。
100年という齢を重ねた老人の手。深い皺だけでも十分に訴えるものがありますが、爪の周囲の汚れは何かの作業をされていたのかと、生きている生気も伝わってきます。両手でそっと何かを包み込むような手の形。目には見えない大切なものが包まれているようで、見ていて引き込まれました。モノクロの陰影が効いています。