子どもの頃、野山をかけて見かけた光景を思い出すような作品だ。コンテストの趣旨にも合っている。背景の色とかボケ具合から温かさや季節が感じられる。カミキリムシの格好が、視覚的にも新鮮で、写真の強さを支えている。
直進していく舟の波紋が静かな風景に変化を与えているのがよい。大きな波と小さな波がマッチしている。また、露出を切り詰めて撮影、周辺を黒く落としたのが効いて、美しい作品になった。
広角レンズで狙ったことにより、中央の奥行きやスケール感が出て力強さがある。全体のバランスもよく、森や木を捉えた作品の中では一番良かった。古木の質感がよく出ている。
ピントもタイミングも良い。難しい瞬間をよく撮っている。黒と光のコントラストが美しく、アイキャッチや質感があり、カラスの印象を覆し、尊厳ある魅力を伝えている。構えていないと撮れない作品だ。
ハイキー調から、春の明るさが伝わってくる。誰でも入り込める風景の中で、2人の子どもが遊んでいる。それが最大の魅力だ。こういう日本の風景が残って欲しい。ここに着目したのは眼力だ。
ただの畑だが、逆光で光が当たっていて神々しい。宝石箱のようにも見える。光を選んで作品にしたところを評価したい。観察することにより、自分が捉えたいという機会を待って撮影されたように見える。