【関東本部委員・佐藤親正】
【三脚と雲台について】
三脚はコンパクトカメラ用から超望遠レンズなどで使用する大型のものまで、色々なサイズがあります。私が通常愛用している三脚は、カメラを三脚に取り付けて自分の目の高さより少し高い位置になる三脚(写真1)で、2万円くらいの価格のものです。
その三脚に1万5千円ほどで買い求めた自由雲台(写真2)を取り付けて使っています。この三脚を基本にして、インターバル撮影などでは、自由雲台から三方式雲台(写真3)に取り換えたりして使用します。三脚は全てに適した万能な物は無いでしょう。自分の機材や撮影条件を考えて選ぶことが大事です。三脚を使っている方の意見を聞くこともお勧め致します。
自由雲台と三方式雲台にもそれぞれ長所と欠点があります。自由雲台はコンパクトで縦や横のアングルを決めるにも楽です。欠点としては、決めたアングルが少しズレたり、長秒時間露光やインターバル撮影では、微妙なブレに注意したりする必要があります。三方式雲台は自由雲台に比べて大きくなります。三方のネジでアングルを決めるので、一本のネジで決める自由雲台よりは操作性が劣ります。しかし、ズレやブレが起こり難く安心出来ます。
【三脚の効用について】
三脚を使用する一番の効用は、カメラをブラさないでスローシャッターを使えることです。速いシャッターでの撮影では、手持ちでの撮影もできますが、1/30秒より遅いシャッタースピードでは通常三脚が必要になります。感度を上げてシャッタースピードを速くするのではなく、表現のために、故意にスローシャッターで撮ることで動きを表現できます。サンプル写真4は、1/400秒での撮影ですから、手持ちでの撮影もできます。風の強い日の撮影ですが、1/400秒では風に揺れる笹の葉も止まって写りました。サンプル写真5はシャッタースピードを1/20秒にセットして撮影しました。1/20秒では笹が風に揺れる様子が少し表現できました。サンプル写真6は、シャッタースピードを1秒にセットして撮影しました。強い風に揺れる笹が表現できました。このようにシャッタースピードは表現を変える大事な要因となります。次に、三脚を使用することで、シャッタースピードに制約が無くなりますと、レンズの絞りを自由に選択できます。絞りF5.6からF8に変えることを一絞り絞ると言います。F8から一絞り絞るとF11になります。逆にF5.6からF4.0に変える事を一絞り開けると言います。レンズを一番開けた状態で撮ることを「開放で撮る」と言います。絞りも表現を変える大事な要因となります。
サンプル写真7は絞りF2.8で開放での撮影です。この状態での撮影が背景を一番ボカシて撮ることになります。サンプル写真-8は逆に一番絞りこんだF22で撮影した写真です。背景の樹氷がはっきりと表現できました。絞りは、絞れば絞るほど背景がはっきり写り、逆に開ければ、背景がボケる仕組みになっています。撮影には表現意図に合わせて、シャッタースピードや絞りを決めて撮ることが大事だと思います。
次回はNDフィルターを使い、動きを表現する方法を述べたいと思います。
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