全日本写真連盟

第15回北関東写真サロン

北関東写真サロンは、北関東ブロック(栃木県、茨城県、群馬県)内を撮影場所に限定した公募展のフォトコンテストとして、15年を経過しました。
近県からの応募も頂き311名の応募者となり、1,969点の応募作品となりました。
審査は、熊切圭介先生を審査員にお迎えし、4月14日朝日新聞東京本社において行われ69名の方々が入賞されました。
入賞作品展は6月19日(金)~21日(日)にかけて、宇都宮文化会館で行い、21日(日)に同会館で表彰式を行いました。
なお、茨城県(8月)、群馬県(11月)に巡回写真展を計画しています。

【講評】熊切圭介 先生(写真家、全日本写真連盟総本部理事)
 職業上、写真の審査をする機会が多いのですが、コンテストの種類や地域によってそれぞれ変化があり、審査をする楽しみも様々です。
今回、北関東写真サロンの審査を担当しましたが、予想以上に応募作品の質が高く、また内容もクリエイティヴな作品が多く、充実した審査をすることができました。祭り、人物、自然、街のスナップ、イマジネーション豊かな作品など、表現、テーマとも多種多様で作品を選ぶのには苦労しました。
 写真というメディアの面白さは、現実に存在するもの、目に見えるものを対象としながら、細やかな観察により得られたモチーフを、時にリアルに、また時に情感豊かにと表現も多様になります。単に現実のコピーではなく、自由な発想と豊かな想像力でクリエイティヴな世界を表現することが出来ます。対象となる事象と常に向き合い、その場に立たなければ、どんなに素晴らしい被写体でも、ドラマチックな情景でも写真に撮ることはできません。そうした観点で云えば、フットワークの良さが、何よりも大事になります。常に好奇心を失わず、新鮮な気持ちで被写体に接してください。

 最優秀賞「出番前」 飛毛  操(茨城県筑西市)

 能面を始め多種多様な面があります。人が面を付けると、其処に非日常の世界が生まれます。おかめの面を付けた大勢の人を、暗い背景の中に据えた作品は、想像力を刺激する不思議なイメージを創り出しています。

 優秀賞 朝日新聞社賞「竹とんぼ飛んだ」 中島 豊一(茨城県龍ケ崎市)

子供の夢の世界の入り込んだような、ファンタスティックな作品です.空に飛んで行く竹とんぼを目で追う子供の嬉しそうな表情を、見事なタイミングで写しています。白黒の画面が効果的です。

 優秀賞 全日写連賞「北帰行」 西口  和(茨城県守谷市)

 列を作り月を背にして北に帰る雁の姿を、情感豊かに描いています。空の濃いブルーの色調の中の、夕陽に体を赤く染めた雁の列と、白く輝く月が心地良いコントラスを生み、美しい光景になりました。

 優秀賞 アサヒカメラ賞「修行時代」 田中 容之(栃木県宇都宮市)

厳しい相撲の世界に入り、懸命に修行をしている若者の姿に、ある種の清々しさを感じます。乱れた髪と固く結んだ口元に厳しさが表れています。 と同時に顔の前の空間の緑に夢と希望が表現されています

 特 選「春光に咲く」 黒﨑 一雄(栃木県茂木町)

小さな花が群生している情景を普通に撮れば平凡な作品になったと思います。
逆光で撮影することで花の輪郭を際立たせると同時に、レンズ内に拡散するフレアを利用して、映像としての魅力を作っています。

 特 選「夏の女」 山本 昌男(栃木県宇都宮市)

 作品から受ける印象は、まさに夏の女。激しい踊りの合い間、ひと休みしている若い女性達の荒い呼吸が聞こえてくるようです。頭上の電球の故もあって今を生きる女性のリアリがよくでています。

 特 選「夕景」 金澤 かずえ(茨城県日立市)

 普段見慣れている風景でも撮影条件の違いによって印象が変わります。霞ヶ浦の帆曳船は写真の被写体によくなりますが、怪し気な空をバックに夕日に浮かぶ姿から、ドラマチックなイメージが伝わってきます。

 特 選「俺も将来は」 宮内 紘一(茨城県ひたちなか市)

普通写真のアングルは目の高さから写されたものが多いので、地面スレスレのアングルで写されたこの作品はそれだけでも目をひきます。獅子舞の様子をしゃがみこんで見ている子供の姿を巧みに写しています。

 特 選「午後の街角」 松下 昇一(茨城県かすみがうら市)

 一軒の家の姿を的確に表現しているので、日常性が強く感じられます。沢山の洗濯物が干してあるベランダ、玄関脇のポストや植木鉢などの光景と、人物のシルエットや建物の影を生かして鮮やかに描写しています。

 準特選

「無限への誘い」 鈴木 登志雄(栃木県佐野市)

「晩 秋」 寺門 健一(茨城県常陸大宮市)

「強風の仕業」 稲垣 晴夫(茨城県那珂市)

「共演」 小林 一夫 (茨城県水戸市)

「凜として」 市川 弘子(茨城県古河市)

「ファミリー」 渋谷 光世(茨城県利根町)

「祭の主役」 田村 富子(群馬県伊勢崎市)

「ワイングラス」 神部 利明(群馬県高崎市)

「氷紋」 山岸 信男(群馬県桐生市)

「バトル」 佐々木 俊一(埼玉県さいたま市)

 秀 作

 入 選

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2022/08/01
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