第12回全日本モノクロ写真展(全日本写真連盟関東本部、朝日新聞社主催)の審査が、このほど朝日新聞東京本社で行われ、入賞作品79点が決まった。応募総数は2213点。審査には写真家の英(はなぶさ)伸三氏と勝又ひろし・アサヒカメラ編集長があたった。
【講評】 前回より応募者数が増え、作品の内容も多彩になった。上位の入賞作品には、被写体への理解の深さが感じられ、表現に関しても作者独自の工夫があった。
モノクロ写真には本来、カラーでは得られない独特の美しさと強さがある。実際の情景を白から黒にいたる階調の、一種の抽象化した世界で構築するからだ。しかし、今回もプリントが黒すぎたり、全体の調子がフラットでさえなかったりするものがあったのは残念だった。
高性能プリンターと上質の用紙が普及したいま、これらを駆使して、銀塩写真で培われた美しい魅力あるモノクロ写真の表現技術をしっかり受け継いでほしい。