全日本写真連盟

第11回モノクロ写真展

  第11回全日本モノクロ写真展(全日本写真連盟関東本部、朝日新聞社主催)の参加が、このほど朝日新聞東京本社で行われ、入賞作品67点が決まりました。 応募総数は1944点。写真家の英伸三氏と勝又ひろし・アサヒカメラ編集長が審査にあたりました。

〔講評〕
 今回も全国から変化に富んだ内容の力作が多数寄せられた。デジタル作品は全体の85%にまで増え、仕上がりもかなり安定してきたようだ。だが、気になることもある。デジタル写真では、カラーで撮影したカットをモノクロに変換してプリントすることが多いため、色彩効果が薄れ、撮影意図があいまいになって魅力を欠いた写真になってしまうということだ。実際の色彩に惑わされず、無駄な要素を省き、白から黒にいたる階調を多彩に使い分けるのがモノクロの世界であり、面白さである。そのことをしっかり意識して臨まないと良い結果は出ない。銀塩モノクロ写真との違いはこんなところにもあるように思う。
写真は時代の記録である。この国で何が起こっているのか、伝えたい事柄に正面から向き合い、さらに進化した作品が生まれることを期待したい。

 最優秀賞「立ち話」 古怒田潔(埼玉県)

交差点の角で自転車を止めて立ち話をする2人の女性。1台の方にはチャイルドシートがついているから、子どもを保育園に送っていった帰りだろうか。出会いを逃さず、子育て世代の活動的な日常を活写した見事なスナップだ。

 朝日新聞社賞

「春を待つ湖北」 高田 謙(大阪府)
 雪の積もった岸辺の風になびく枯れた葦、湖面の鴨の群れ、中州の立木の先の波立つ沖に浮かぶ島、雲間からもれるにぶい冬の日差し。厳しい寒気の中の湖畔の景色をていねいにとらえており、寒々とした感じに仕上げたプリントにも冴えがある。

 全日写連賞

「バスタイム」 加藤寿男(福島県)
 台所の流しに置いたベビーバスで赤ちゃんを入浴させているのはおばあちゃんだろうか。気持ち良さそうな赤ちゃんの顔、それを見守るお姉ちゃんらしい女の子たちは少し緊張気味だ。大変ほほえましい家族写真の秀作である。

 関東本部長賞

「建機の休息」 桝谷 寿治(神奈川県)
 夕暮れの畑の一角で異様な姿をさらしているのはアームを下げたパワーシャベル。昼間、工事現場で働いた疲れをいやしているかのようだ。田園風景との対比で現代を表した視点が良い。

 特 別 賞

「里の仲間」 山本和男(鹿児島県)
 古そうな家の屋根の上で、肩を組んで並ぶ中高生らしき若者たち。壁の羽目板が日差しに輝き、トンビの群れが上昇気流に乗って白雲の下を旋回している。不思議な設定と、深みのある美しい銀塩の色調が魅力的だ。

 アサヒカメラ賞

「昔も今も」 加藤利光(静岡県)

 特 選

 準特選

 入  選

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2022/08/01
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