全日本写真連盟

第22回全日本モノクロ写真展

審査 写真家・関東本部委員 ハービー・山口

 ベテラン作家の作品からは、地に足のついた被写体への深い理解と、ご自分が抱くモノクロへのこだわりが合体した強さがあり、多くの高校生の応募作からは、若い世代が抱くモノクロへの憧れを感じました。
 モノクロ表現には水墨画や書道などにも言えますが、どれもシンプルかつ究極の表現という印象があります。あえて色を除外することで強調されるものがあるのです。そして多くの作品から人生というものを強く感じました。

 最優秀賞「ライフセーバーを目指す」 乙部エミ(埼玉県)

人を救おうとする意思を持った人たちが発散する力強さ、爽やかさが見事に描かれています。私たちに勇気を与えてくれる作品です。肌に流れる水滴や生き生きとした横顔を捉えたことで彼女たちの本質を強く感じます。

 朝日新聞社賞「抱く」 田中俊寛(福岡県)

カメラを持つ人のほぼ全員が、ママの表情を撮ろうとします。そこをあえて外し、ママの手、赤ちゃんの足、布の質感で作画したデザイン性が秀逸です。撮影時にこのセンスが発揮できることは優れた写真家の証しです。

 全日本写真連盟賞「大切なもの」 坂本輝(埼玉県)

この作品もあえて顔の表情を省いています。大事そうに両手に抱え込む紙で作られたチューリップ。大切な方からプレゼントされたものでしょうか。様々なストーリーを想像すると、このご老人の心の内が見えてきます。

 関東本部長賞「廃業」 矢野直孝(神奈川県)

背景に写った機械の数々。一部が破損していたり、床にはゴミか何かが散乱していたりします。解体したのか部品を抱える男性の視線の強さにドキッとします。時代の流れ、そして離れていく作業員の心境がしのばれます。

 フォトアサヒ賞「Magic Mirror」 林邦良(静岡県)

高層ビルの屋上には風景にしてもスナップにしても日常とかけはなれた光景があります。この写真には警備員とお客さんとの組み合わせによる、ユーモア溢れる一瞬が見事に写し込まれています。瞬時の構図力が秀逸です。

 特選「少女」 水谷寛(三重県)

 特選「月食に交信」 竹端栄(神奈川県)

 特選「こもれ日の落ちる場所」 一瀬富左男(埼玉県)

 特選「SAMURAI6」 望月貴光(山梨県)

 特選「夏の日」 小林進(埼玉県)

 準特選「20XX」 鈴木拓哉(東京都)

 準特選「けむり」 佐藤祐一(福島県)

 準特選「相撲列車」 吉田美和子(奈良県)

 準特選「レトロな美容院」 上田節子(奈良県)

 準特選「閑古」 古地幸男(大阪府)

 準特選「待ちわびる」 竹内永三(埼玉県)

 準特選「修学旅行生」 大澤秋良(埼玉県)

 準特選「夜更けの街」 和田知久(広島県)

 準特選「Raining」 坂崎遼太郎(東京都)

 準特選「一番星」 金澤誠(栃木県)

 入選

「あの夏の日」 露木義光(静岡県)

「凍てつく海峡」 福田修逸(青森県)

「ある日の少年」 橋本英幸(三重県)

「Shrine」 福島秀和(福岡県)

「桟橋の今」 朝倉康春(鳥取県)

「静寂」 髙塩定男(栃木県)

「長い付き合い」 中沢賢治(神奈川県)

「約束」 廣田一雄(岐阜県)

「朝」 岡村國次(新潟県)

「落ち葉」 高田誠二(愛知県)

「エッ!」 大原紘一(福岡県)

「西日」 佐藤英輔(神奈川県)

「夕日のなかで」 王子田良二(千葉県)

「マッスル・オブ・シャドウ」 野田光治(神奈川県)

「伝承の面」 樋渡博(山形県)

「贅沢な時間」 西村充康(奈良県)

「オセロ一人遊び」 加藤洋子(三重県)

「宇宙船」 尾崎忠夫(神奈川県)

「行く末」 佐久間俊輔(東京都)

「For Success」 haco(埼玉県)

「生きる糧」 宮崎雅代(埼玉県)

「果てしない旅」 高口恵子(熊本県)

「アナーキーな町」 小杉美千代(神奈川県)

「里山のばあちゃん」 宇佐見冨士夫(福島県)

「スプラッシュパーク」 外勢肇(愛知県)

「ゴジラ来襲」 川口忠男(神奈川県)

「祈念を結ぶ」 稲葉修(埼玉県)

「逢魔が時」 池田玲(神奈川県)

「objet」 杉永博人(山口県)

「フロントガラスの華」 堀内道正(茨城県)

「ひと休み」 松永愛子(静岡県)

「大吉を願う」 吉川正宏(静岡県)

「ハイジな気分」 長原恭子(兵庫県)

「晩秋」 百村秀男(埼玉県)

「行者の祈り」 猪狩淳(神奈川県)

「山車行列を待つ」 吉田義一(埼玉県)

「静寂」 竹歳雅秀(鳥取県)

「担ぐ絆網」 青柳征三(千葉県)

「アンサンブル」 藤原純三(大阪府)

「路地裏」 中田叔子(埼玉県)

「祭りのひととき」 古怒田潔(埼玉県)

「サングラス」 窪田保孝(愛媛県)

「ギャル達」 角田孝(茨城県)

「ピクニック」 伊藤信幸(神奈川県)

「ノスタルジア」 梅田充紀(奈良県)

「霊場」 新井房子(埼玉県)

「静寂」 戸津井直次郎(埼玉県)

「To the Future」 Kyouga(奈良県)

「休日の午後」 住由子(埼玉県)

「スタンバイ」 岡地英男(埼玉県)

「地下神殿の秋」 長谷川潮(熊本県)

「降りたくない」 小谷杏輔(大阪府)

「いつもの散歩道」 中野雅子(神奈川県)

「幸」 河野秀一(神奈川県)

「光の風」 樽川一郎(東京都)

「ヤドリギ」 三澤久(山梨県)

「解除の街」 花島?夫(埼玉県)

「ふたり」 麓直美(東京都)

「HH」 田林勲(埼玉県)

「青梅路」 庵地紀子(埼玉県)

 入選(高校生)

「尖る」 田中愛乃(京都府)

「のどかな時間」 宮里錬太(沖縄県)

「裏道の灯火」 深津純大(群馬県)

「Shape of you」 中山あいり(新潟県)

「日課」 矢島拓海(福井県)

「一心同体」 田里友莉(沖縄県)

「震災の記憶」 髙橋優輔(群馬県)

「さとのはる」 加藤春樹(静岡県)

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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