「第5回人間大好き!フォトコンテスト」(全日本写真連盟関東本部、朝日新聞社主催)の入賞作品95点が決まった。全国から474人、2334点の応募があった。審査には全日本写真連盟会長で写真家の田沼武能氏があたった。
【総評】田沼 武能氏
2011年の東日本大震災以後、「絆」という文字が脚光を浴びています。語源は、馬や犬などの動物をつなぎとめる綱のこと。いまは「断つにしのびない恩愛」という意味があるといいます。人と人とのコミュニケーション、人間が好きでなければ絆も生まれません。
そんな人間愛、絆のドラマがいっぱい詰まった「第5回人間大好き!フォトコンテスト」の審査を行いました。
作品のレベルは昨年を超え、上位を決定するのに苦慮しました。その結果、感動のドラマを強くとらえた今回の作品が選ばれました。
良い写真を撮るには、好奇心と行動力をいっぱいにして良い被写体を発見し、その感動の瞬間を写真にとらえることです。それには、身近な家族、友人、動物たちは良い被写体です。ぜひ、感動をとらえ、コンテストにチャレンジして栄光を勝ちとって下さい。
子どもがいると家の中が明るくなるといいますが、風呂からあがってきた少年がカメラに向かい裸で直立不動の姿勢で剽軽な表情を見せる。おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんもみんな笑顔・・・会話が聞こえてくるような飾らない家庭生活をとらえており、まさに人間大好きの光景です。
新生児誕生を祝い集まった一族。中央に赤ちゃんを抱いたお父さんを中心に家族たちの顔、顔、顔。みんな雄琉と書いた色紙を持ち笑顔する。もちろん演出したものですが、いやらしさがない。単なる記念写真からひと味アイデアを加えた素敵な写真です。
「幼き頃の夢」 鈴木博子(埼玉)
桜の木の下で、バレリーナを夢見た頃の写真額を持って記念写真。その嬉しそうな笑顔を見て微笑む彼氏。ピンクの傘も何気なく二人の存在を強調しています。さわやかな人間大好き写真です。
「ジャンプ成功」 斉藤 貴(宮城)
庭でお父さんと遊ぶ子どもたち。フラフープの輪の中をジャンプで通り抜ける。成功して歓声をあげる少女、それを見つめる弟。背景ボケた秋の彩りが、子どもたちの楽しそうな姿を強調しています。