全日本写真連盟

第15回人間大好き!フォトコンテスト

審査 写真家・関東本部委員 大西みつぐ

故田沼武能先生が長年担当された「人間大好き」の審査を引き継ぎ、責任の重大さを感じ、大いに緊張もしました。コロナが収まりつつある中、みなさんの写真から活力を感じ、人と人が出会い、集える日々がどれほど大切なものであるか身に染みて感じました。撮影技術に加え、正攻法で人間を率直にとらえる表現力の向上にうれしさを感じます。一方、あるパターンを踏襲し、「及第点」にとどまる作品も目立ちました。「笑顔」は確かに幸せの象徴ですが、被写体と撮影者の共有する時間は日々の喜怒哀楽すべてにあります。そうした「切実」な思いを慎み深く表現することも、写真活動の一つでしょう。

 最優秀賞「厄払い神事」 外勢肇(愛知県)

コロナや戦争。私たちが困難な時代に生きているのは確かです。そんな時代や状況でも人は自分たちを律していけるはずだと、この煙が神事で、神聖なものだからこそ、信じてみたくなります。そして写真から浮かび上がる「人間像」のたくましさに圧倒されます。瞬間を見事にとらえ、そこから続く私たちの日常がイメージとして表現されているのではないでしょうか。

 朝日新聞社賞「養蜂」 海老原郁夫(東京都)

「カメラアングル」とは単なる形式や美的センスの問題だけではなく、被写体といかに向き合ったかという撮影者の姿勢も示しています。養蜂家を「尊重」したこの写真は、同時に飛び交う蜂の姿も生き生きととらえました。くっきりした色彩も気持ちよく、その相乗効果は写真に活力と明るさを与えています。そこから、この人の生き方も想像させてくれます。

 全日本写真連盟賞「そろそろ帰ろうか」 西村充康(奈良県)

恐らく、一日の終わりの光景。空を見上げる自由と安堵感は、家族同然の犬も同じ。もう少しとどまりたい気持ちは私たちにも痛いほど分かります。「人間大好き」とともに、生きる喜びそのものが表現されているようです。私たちは「そろそろ帰るべき家」をめざし、そこからまた明日を紡いでいくはずです。一枚の写真に隠された多くの物語が浮かんできます。

 関東本部長賞「成人の日」 大島雅子(愛知県)

これから成人の日のお祝いを家族でにぎやかにするのでしょう。スクスク育っている子どもたちと、若い両親の笑顔が画面いっぱいにとらえられ、はちきれんばかりの幸福感が写真を見る私たちにも元気を与えてくれます。真正面からの撮影をお願いしたのか、家族の照れが素直に表れています。日本の少子化対策は、こんな笑顔を基に進められるべきかもしれません。

 エプソン賞「江戸っ子よ」 佐藤哲也(北海道)

 ケンコー・トキナー賞「うさ晴らし」 大岡博美(栃木県)

 ピクトリコ賞「駄々っ子」 横山周作(大阪府)

 クリエイト賞「朝の光に励まされ」 中川富夫(京都府)

 優秀賞「おかえり」 宮崎雅代(埼玉県)

 優秀賞「昭和の駄菓子屋」 芳賀和代(山形県)

 優秀賞「礼っ!」 栗原陽子(福島県)

 優秀賞「大忙し」 涌井明男(栃木県)

 優秀賞「いらっしゃい!」 神田照子(静岡県)

 特選

「嬉しい一時」 藤井鎮雄(奈良県)

「夢の中でも」 樋口逸見(埼玉県)

「お袖が。。。。。」 畠堀ひと美(神奈川県)

「おやじの自慢」 マンダリンエミ(千葉県)

「抑えきれずに」 岡村國次(新潟県)

 準特選

「島に生きる」 中澤福美(香川県)

「じじ・ばば元気でお正月を迎えました」 山浦一男(長野県)

「ファミリーBBQ」 竹内栄二(栃木県)

「米寿の春」 田羅問カトリ(香川県)

「陽 春」 小河美弘(埼玉県)

 入選

「憩楽しむ」 沖館宏(埼玉県)

「笑ってね」 畠中奈穂美(神奈川県)

「しっかり付けてよ!」 髙塩定男(栃木県)

「ぼくはウエイター」 西久保信一(滋賀県)

「小さなお布施」 齋藤彰(山形県)

「力水」 藤江松男(島根県)

「共に歩む」 酒井正志(茨城県)

「春爛漫」 水谷寛(三重県)

「見惚れる」 岩崎茂樹(神奈川県)

「年々成長」 佐藤充良(東京都)

「魔界村ラジオ体操」 田中啓子(大分県)

「角巻の花嫁さん」 樋渡博(山形県)

「息ぴったり!」 中村一彦(埼玉県)

「いたわり」 林知子(三重県)

「再 会」 小森裕子(千葉県)

「小休止」 堀内彰(東京都)

「デッドヒート」 中村昭夫(三重県)

「本番直前練習」 鈴木和子(神奈川県)

「高笑い」 笠原明(埼玉県)

「そこはボクの家だよ」 小関明彦(埼玉県)

「村の長老」 奥村洋司(神奈川県)

「ニッポン、ダイスキ!」 住由子(埼玉県)

「奉笛/凛として」 稲葉修(埼玉県)

「仲間」 福井純子(徳島県)

「どうこんなポーズは」 小山千恵子(大阪府)

「時を超えて」 庵地紀子(埼玉県)

「小さな美容師さん」 河野秀一(神奈川県)

「私きれい?」 佐藤久雄(神奈川県)

「19階の青春」 奥村泰子(神奈川県)

「96歳まだまだ元気」 高村和恵(千葉県)

 高校生優秀賞

「ともだち100人できるかな」 小森望生(京都府)

 高校生入選

「あと少し…」 柳生陽音(福井県)

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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