審査:県本部委員長 鈴木是清(総評・講評)
県本部副委員長 髙塩定男
県本部事務局長 田中容之
・県内の風景、動植物、自然現象、行事、祭、その他あらゆる事象、及び生活を撮影したもの。
【総評】全体に中身の濃い作品が多かった様に思います。最後まで残るのは、独自性、自分の世界観の有る人真似ではない作品をセレクトしました。先人たちが残したものに、おんぶしていては先人たちを越えられない、自分のオリジナリティな表現を生み出していく事が、大切だと思います。
また、フレーミング、色調に、こだわっても良いのですが、内容が見えて来ない表面的な表現が多々見られました。表現するものには、不完全な美もある事を知って欲しいと思います。不完全の組み合わせから、化学反応を起こし、新しいものが浮かび、見えて来る事も有ります。一つの被写体をあらゆる視点から、観察することが大切だと思います。形あるものは全てストーリーが有り、意味が有り、何らかの細胞と細胞が結合した生命体であるから、そこを探求すれば、あらゆるものが被写体として存在意味が見えてきます。形も大切ですが、意味合い、ストーリーが加わって、そこに自分の意図主張を加え、オリジナリティな作品になるのだと思います。
様々な成長の表現方法の中で、成長の過程を足で表現している所が、斬新で独自性が有り視点が良い。顔を見せていないが、足にそれぞれ表情が有り、その年頃のやんちゃな顔が浮かんできます。負の部分を長所に見せている所に非凡さが見えます。
住宅地の路地で、老婦人とネコのふれあいの様子。婦人のネコに対する細かい仕草、動作に行き届いた工夫が有り、この時だけではなく、毎日の婦人とネコのルーティーンになっているのでしょうか。そんな日常の流れを感じる作品です。
まさに今です!辛く、生々しい場面ですが、今、どこかで行われている、高齢化社会の縮図です。介護されるご本人、介護をする人、見守る人、それぞれの心情の交差が描かれています。ネコの存在がご本人との関係性が心に沁みてきます。