平成27年6月7日(日) 宇都宮市文化会館3階第1会議室
審査・講評 全日本写真連盟関東本部委員 宮崎 文雄先生
巫女さん達のチョットおどけた笑顔とポーズ、石畳に映る彼女らの影とのバランスがとても良くて、明るく気持ちの良い画面です。後方にのびる参道と頭上遠くの鳥居、境内の佇まいも程よく取入れた、背景にも気を配った揺るぎない画面構成の作品です。
ヨシ焼きの進む遊水池の片隅で、僅かに残った緑の草を一心に摘んでいるかのような仲良し二人の真剣な仕草が実に可愛いらしい。ワイド系レンズで二人の世界を大きく捉え後方の青空に立ち昇る何本もの黒い煙りと焼けている野原を広く取入れることで、やや赤みのある色調と共にとても臨場感のある画面になっています。
「世代交代」 秋元利雄(大田原)
きれいに苗の植えられてゆく水田を田植機に乗って進んでくる若夫婦の後方の畦道を歩いてくるのは父親でしょうか、彼方の実景をカットして水面への映り込みで周囲の環境を見せた事で主題が引立ち爽やかで美しい画面です。この家族の明るい未来が感じられてくる作品です。
「渓の朝」 佐川栄治(那須)
渓流で素晴しい光芒に出合った瞬間の感動が適確なフレーミングでまとめられ、清涼な空気感が画面に満ちている作品です。点在する美しい豊潤な苔に覆われた岩と若木、右上の新緑の眩い枝が画面に安定感と奥行きを与え、光芒と渓流の流れで躍動感溢れる画面になり、パンフォーカスのピンが画面を引締めています