全日本写真連盟

令和2年度第25回冬季合同例会

審査 関東本部委員 渡辺幹夫

【総評】
 コロナ禍における困難な状況下で、みなさんの写真創作活動は思うように動けず、寂しく思われていることと推察します。新型コロナウイルスの猛威に我々は慄き、日常の生活がままならなくなるとは、誰もが予想していませんでした。
 とはいえ季節は刻々と移り変わります。今年もまた、ウメやサクラが咲く季節が巡ってきました。撮影旅行など国内外への行動が制約されますが、われわれは身近な撮影機会に目を向けて感性を養い、そこを大切にしながら写真を楽しんでいます。
世界的に見ても、ウイルス感染の収束には道のりはまだ先行き不透明です。まずは自らの命を守ることを第一に、写真表現にいそしんでいただければと思います。
 みなさんからの応募作を拝見しました。多くの組み写真が含まれていますが、単写真の味わいも尊重して、選考審査しました。みなさまが果敢に挑戦した秀作、力作をお待ちしています。今後とも宜しくお願い致します。

 金賞「きれいだよ!」 石川敏孝(佐野)

とても微笑ましい光景です。末娘さんが迎えた七五三の風景でしょうか。かわいく成長した妹に、家族それぞれの表情がとてもやさしく、いきています。観ている方にもぬくもりを感じさてくれます。光の具合や背景の処理も良く、家族のスナップとして絶品です。

 朝日新聞社賞「現役」 江川多嘉(横川)

何気ない景色ですが、そのなかに潜む生活感を見つけ出すセンスに感服です。次世代に託すまでは現役を貫く、というメッセージが聞こえてきます。木々の緑に生命観を感じ、素直にそして大胆に切り取った作風は高評価です。

 全日本写真連盟賞「日課」 高塩忠男(横川)

モノクロに仕上げたのが効果的でした。朝の陽光を受けて輝く鬣(たてがみ)が非常に印象的です。調教する人と馬との距離感も絶妙で、構図もよかったです。

 銀賞「仲良し五人組」 増子善英(那須)

発想がとても面白い。「右向け―右、左、まえ、うしろ!」との掛け声が画面にあふれています。組み写真の概念を超越したような素朴な構成は好印象。なかよし5人組の成長を記録としても撮り続けてほしいものです。

 銀賞「闘争」 大塚芳彦(サン)

 シャッターチャンスが絶妙です。「会心の出来」とほくそ笑む作者の顔が思い浮かびます。光の具合も良く、執拗に狙って撮った賜物ではないでしょうか。いい写真です。

 銅賞「お茶飲み友達」 管野千代子(那須)

 たどってきた人生は違えども、そこに湧き出る自然な笑顔と彫りの深いシワが各人の幸福感を感じさせる。全員同じ柄の湯飲み茶碗でバストアップのポートレート。タテ、ヨコそれぞれ二枚とリズム感ありで、見せ方が旨い。

 銅賞「眼力」 小林トミ子(横川)

 まさに眼の迫力に圧倒されます。こんな眼で睨まれたら怖いでしょう。仁王像の朱色が印象的で、なおかつ背景処理も絶妙です。ちなみに「眼力(がんりき)」と「目力(めぢから)」の違いを改めて思い直しました。

 銅賞「追憶」 佐海忠夫(サン)

 子どもや孫の成長の「追憶」。赤ちゃんの産着とお宮参りの記録の過去写真を織り交ぜた世界観をモノクロ表現で印象的に仕立てました。この効果で死生観も漂い、観る人に考えさせます。

 県本部長賞「役目を終えて」 鈴木登志雄(佐野)

 シアン系のプリントで画面構成したのは正解でした。それぞれの遊具がまるで人格を持っているかのように歴史観を感じさせます。ストレートな表現は評価できます。

 県本部委員長賞「目覚め」 荒井千代子(個人)

 きれいなプリント仕上がりです。スナップや組み写真が多いなかで、この写真はひときわ目立ちます。生命の神々しさを感じさせ、的確な構図に好印象です。

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
EPSON

English Information

2022/08/01
About The All-Japan Association of Photographic Societies
contact

〒104-8011
東京都中央区築地5-3-2
朝日新聞東京本社内 全日本写真連盟事務局
TEL:03-5540-7413