審査 関東本部委員 渡辺幹夫
【総評】
コロナ禍における困難な状況下で、みなさんの写真創作活動は思うように動けず、寂しく思われていることと推察します。新型コロナウイルスの猛威に我々は慄き、日常の生活がままならなくなるとは、誰もが予想していませんでした。
とはいえ季節は刻々と移り変わります。今年もまた、ウメやサクラが咲く季節が巡ってきました。撮影旅行など国内外への行動が制約されますが、われわれは身近な撮影機会に目を向けて感性を養い、そこを大切にしながら写真を楽しんでいます。
世界的に見ても、ウイルス感染の収束には道のりはまだ先行き不透明です。まずは自らの命を守ることを第一に、写真表現にいそしんでいただければと思います。
みなさんからの応募作を拝見しました。多くの組み写真が含まれていますが、単写真の味わいも尊重して、選考審査しました。みなさまが果敢に挑戦した秀作、力作をお待ちしています。今後とも宜しくお願い致します。
とても微笑ましい光景です。末娘さんが迎えた七五三の風景でしょうか。かわいく成長した妹に、家族それぞれの表情がとてもやさしく、いきています。観ている方にもぬくもりを感じさてくれます。光の具合や背景の処理も良く、家族のスナップとして絶品です。
何気ない景色ですが、そのなかに潜む生活感を見つけ出すセンスに感服です。次世代に託すまでは現役を貫く、というメッセージが聞こえてきます。木々の緑に生命観を感じ、素直にそして大胆に切り取った作風は高評価です。
たどってきた人生は違えども、そこに湧き出る自然な笑顔と彫りの深いシワが各人の幸福感を感じさせる。全員同じ柄の湯飲み茶碗でバストアップのポートレート。タテ、ヨコそれぞれ二枚とリズム感ありで、見せ方が旨い。