全日本写真連盟

令和元年度・第42回秋季合同例会 結果発表

総評+上位入賞作品講評

令和元年9月15日(日) 宇都宮文化会館
審査:渡辺幹夫

総評:
 実りの秋、スポーツの秋を迎えて、わたしたちの感動を呼び起こすさまざまな光景が繰り広げられています。はたまた自然災害がもたらす甚大な被害に、人間の英知の無力さや限界を感じます。
 時代は平成から令和に変わりました。人々の営みを写真に切り取り、どう伝えるのか。そして観る人にどう伝わるのか。時代が変わっても永遠の課題ではないでしょうか。
 今年も栃木県本部の作品に触れる機会を得ました。テーマ性を持たせた組み写真が多い中、時の変化を感じ取れるような一枚の写真にも注目し、各賞を選考しました。完成度が高いことには越したことはありませんが、少々荒削りながらも観る人を大胆に引き寄せる魅力ある写真にチャレンジしてみてください。構図、アングル、色合いなど写真の面白さは無限です。さらなる精進を期待しています。

 金賞「皆笑顔で無病息災」 中里 文明(宇都宮支部)

兄弟そして従姉妹なのだろう。よく似た子どもの笑顔はほんとうに純粋でかわいい。モノクロに仕上げたことで、少しばかりレトロな感じを盛り上げたセンスが良かった。

 朝日新聞社賞「いずこへ」 田中 睦子(烏山支部)

まさにいずこへである。組み写真の真髄を生かして、農村の風景を切り取る視点が高評価につながった。老いても足は達者なのだろう。そのたくましさに敬服。

 全日本写真連盟賞「風」 涌井 明男(サン支部)

祭りを丹念に撮るなかで見つけたひとつのシーンなのだろう。風にたなびく赤い布が映り込み、そこで一人だけ振り向いている少女の表情がとても印象的だ。

 銀賞「記念撮影」 櫻木 賢治(佐野支部)

ありふれた日常を切り取ったスナップです。アジサイをはじめとする花の色合いと、そこを訪れた人たちの人間模様がうまくまとまっていて秀逸だ。

 銀賞「通せんぼ」 百目鬼 アイ子(横川支部)

威風堂々と羽根を広げるクジャクに、カモたちから「あらら通れないじゃん」との声が聞こえてきそうだ。タテ位置でムダのない構図がすばらしい。

 銅賞「村歌舞伎」 管野 千代子(那須支部)

村の伝統芸能として残る歌舞伎に寄り添い、さまざまな角度から主役のみならずそこに集う人たちを捉えている。被写体に肉薄する距離感が絶妙だ。

 銅賞「新人カメラマン」 江田 功義(佐野支部)

かわいいカメラマン。望遠系のレンズで、あえて周辺をぼかして浮き上がっている。花と人物の配置もよく、撮影者のあたたかさ感じる。

 銅賞「ヘビウリ」 湯ノ口 忠雄(佐野支部)

大胆かつ力強さをも感じる。収穫したばかり作物が黒バックで独特の世界観を創り出している。そのセンスに感服。

 県本部長賞「夏の日の清流」 畑 豊彦(佐野支部)

完成度の高い組み写真だ。自然のなかに溶け込む清涼感ある風景を、うまく光を使って表現しているのは好印象だ。

 県本部委員長賞「熱戦を終えて」 鈴木 克彦(サン支部)

田んぼであった泥んこイベントでの一コマ。童心に戻って楽しんだのか健康的な女性の表情がひときわきらめく。近づいて大胆に切り取った雰囲気がいい。

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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