平成29年2月5日(日)に関東本部より佐々木広人・アサヒカメラ編集長を迎えて第21回「冬季合同例会」が宇都宮市横川地区市民センターにて開催されました。当日は、40数名の参加者と作品出品者数88名、作品数256点が集まりました。
講師が和服姿で来場しましたので高座でも始まるのかと思われて、参加者の目を引き付けました。佐々木編集長曰く「私は撮るのはうまくないですが、作品を審査する機会が多く、見る目は多少あると思います」との挨拶から開催されました。佐々木編集長がそれぞれの作品にたいし指導講評をする中で、「身近な日常風景のなかに絶景がある、その絶景を探し作品づくりをしてください」とのコメントをいただきました。
登場人物は1枚に一人ずつ。その表情は全く見えません。それでいいんです。「佇む人」なのですから。主題はモデルではなく、この「状況」だと僕は感じました。撮影場所とシーンを巧みに変え、色味豊かな表現かと思えば、ボケを生かした見事なレンズワークを披露し、モデルを「状況」にうまく溶け込ませることに成功しています。高い技術と色彩感覚の賜物です。さらに光沢を抑えたプリントを選択したこともお見事。人の目を引く術を心得ている方だなとすっかり感心しました。
誰もが一度は目にしたことがあるような街の景色が2枚並び、締めのカットはレンズワークを生かした抽象画のような1枚。夜の街をそぞろ歩きした時に網膜に映る世界が映し出されています。何でもない光景を「身近な絶景」に変えた秀作だと感じました。
駅舎も車両も写っていないのに旅情感があります。しかも、手書きの古い時刻表ではなく手前の「現役」の電灯にピントを合わせたことで、この駅がまだ現役で頑張っているという「時の流れ」をうまく表現できています。センスを感じる味わい深い作品です。
「命宴」 島田 繁男(高根沢)
燃え尽きそうな命のラストステージ。それなのに感じられるのは絶望ではなく、ある種の美しさでした。色彩を失いつつある生物とは対照的に、水の波紋と差し込む光がステージを彩る装飾のよう。天に召されるシーンをきっちり捉えた腕前に脱帽です。