全日本写真連盟

第24回甲信越写真サロン

審査 写真家・関東本部委員 熊切大輔

【総評】
 審査にあたりどんな作品が集まるか楽しみにしておりました。地域的にも大自然をテーマにした作品が多いのはもちろんですが、そんな中で日常を切り撮ったスナップや思いもよらない被写体の作品も多く見ることができました。
 さらに本コンテストは地域の特徴や名所、被写体がふんだんに存在するところも他のコンテストと一味違うところです。しかしそれらをどう個性を出して表現するか、そこも見どころでした。ストレートな作品もあれば捻った作品も受賞しました。結果を楽しんで頂ければと思います。

 朝日大賞「四尺の花びら」 中村弥(新潟県)

まずこの迫力に心を一瞬で掴まれました。工場夜景や花火、もしくは遠景で両者が写り込んでいる作品は見たことがありますが、ここまで寄りの表現は今まで見たことがなく、度肝を抜かれました。美しく輝く花火と動物のようにも見えるシルエットでの工場の表情の対比が見事に共演できています。そこで工場が完全なシルエットでないところがポイントです。照明に照らされている部分がアクセントとなって効いています。圧巻の表現、お見事でした。

 朝日新聞社賞「早苗田の守り人」 和田均(新潟県)

大賞と打って変わって静かな表現が心に響く作品となりました。水田の表情は被写体として王道と言っても良いかもしれません。水を張った田んぼには美しい空が写り込んでいます。それだけでも絵になりますが、そこに絶妙なタイミングで人物が写り込んでいます。雄大な景色はそれ単独でも絵になりますが、人が入ることによってそのスケール、大きさの比較にもなるのです。露出をしっかり抑えたシルエットの表現も風景と人を印象的に描く事ができています。

 全日本写真連盟賞「幽玄」 山浦一男(長野県)

ザ・風景写真という作品です。シンプルだからこそ、その作品表現力が問われます。迫力のある岩壁そこに一筋の滝が水彩画のように流れています。一方で見事な紅葉が美しい光の中で輝いています。絶妙なロケーションを見つける目と、光など最高なタイミングでその瞬間にそこにいるということがまずは大事な技術なのではないでしょうか。その素晴らしい一瞬をしっかりと捉えることができました。美しい仕上げも作品表現の後押しをしてくれています。

 100周年特別賞「Paradise」 田邊留美子(新潟県)

ネイチャーフォトが多い中で本作は良い意味で異色の存在で目を引きました。子供にとって「グチャグチャ」は最高に楽しいものです。丸めた新聞紙の海は最高の遊び場でしょう。そんな彼女の心の中が見事に伝わってきました。これが遊具などのカラーボールだったら面白さが半減していたかもしれません。子供は何でも楽しい、そんな無邪気さがストレートに伝わる作品です。新聞という背景だからこそモノクロームの表現もぴったりハマりました。

 100周年特別賞「モビング」 青山益登(長野県)

「モビング」というタイトルに聞き覚えがなく調べたところ「小鳥が群れでタカなどを追い払う行為」と出てきました。なるほどその瞬間を見事に捉えています。果敢に攻撃していますが「我関せず」という表情がなんとも言えませんそして群れではなく1羽で、というところにドラマを感じます。勇猛果敢にアタックするその勇姿が非常に絵になって、ストーリーを感じさせてくれます。この決定的瞬間をよくぞ捉えた、技術力の高さを評価できる作品となりました。

 100周年特別賞「凍てつくダイヤモンド」 立川明(神奈川県)

富士山そのものも美しい被写体ですが、それに何を加えるかで個性が出てきます。ダイヤモンド富士はその最たるものかもしれません。でもそれだけではまだ一般的かもしれません。その逆光を利用してススキが美しい表情を見せてくれています。シンプルだからこそ全ての要素のバランスが重要になってきます。

 優秀賞「黄金の一瞬」 伊藤晴雄(新潟県)

野生動物の姿は迫力ある動きを捉えたものも素晴らしいですが、その感情が見えるような静かな一瞬表情を切り撮ったものもドラマがあって面白いものです。カモメでしょうか、美しい逆光の中で魚を狙っているのかその表情は真剣です。それを察知したかのように一瞬、翻る魚の姿も美しく輝いています。そんな緊張感のある一瞬を見事に切り撮ることができました。作品の仕上げも美しいですが、マスクをもう少し丁寧にかけられるともっと作品のクオリテイが上がります。

 優秀賞「満月の日」 谷本莊一(千葉県)

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の世界がこの作品を見た瞬間に思い描きました。その中の一文で「水晶のような川原」というフレーズがあり、ピタッとハマったような気がします。幻想的な夜汽車の夜景。川面に映る車窓の明かりは本当に美しいです。昼間の風景なら迫力のある走行音や汽笛が聞こえてきそうですが、本作からはむしろ静けさを感じさせてくれます。車両のアップではなく闇深い景色をたっぷり構図に取り込んだところもドラマチックさを倍増させてくれます。

 特選

「崖上に舞う」 金子武(新潟県)

「花見」 劉洋(山梨県)

「帰り道」 高野栄子(新潟県)

「止まった時」 碇誠(千葉県)

「富士山頂の星夜」 村上敏幸(山梨県)

 準特選

「あそぼ」 兵後敏博(山梨県)

「花の海へ漕ぎ出す」 頴原学(山梨県)

「春の穴」 西村美枝(長野県)

「時のトンネル」 上林星子(埼玉県)

「明日も二人で」 広川信俊(新潟県)

「雪化粧」 丸山一久(新潟県)

「凍える」 畠山正樹(新潟県)

「笑顔が光る」 塩沢大(山梨県)

「桜散花」 小林秀樹(長野県)

「測量中」 志田潔(新潟県)

 入選

「流雲秋景」 小林守雄(山梨県)

「神様トンボ」 奥田裕之(長野県)

「春一杯」 土屋芳孝(長野県)

「里の柿」 野口浩一(埼玉県)

「楽しい時間」 吉田行男(長野県)

「禊の海」 外石富男(新潟県)

「最高の笑顔で」 新井勝義(新潟県)

「魅惑の羽根」 小林英子(新潟県)

「ホッと一息」 樋口紘一郎(新潟県)

「羽衣」 明道進二(新潟県)

「一瞬の出会い」 平井昭夫 (新潟県)

「道案内」 田中弘子(新潟県)

「火矢を放つ」 朝井美紀子(長野県)

「小さな座員たち」 酒居誠(新潟県)

「赤い女」 倉澤由貴子(長野県)

「明かりの演出」 北澤敏男(長野県)

「しばし.このまま」 大工原拓也(長野県)

「モルゲンロート」 小松宏彰(長野県)

「冬の渓谷を走る秘境線」 竹折明(長野県)

「パパ助けて!」 袖山哲(長野県)

「夏の息吹」 田那辺幸(長野県)

「あした天気になーれ」 長沼勢津子(長野県)

「粋な二人」 北村民治(長野県)

「冬海に」 外石智慧子(新潟県)

「ハス池の朝」 中條誠(新潟県)

「躍動」 弥田正蔵(新潟県)

「カワセミ」 沼倉康治(新潟県)

「夜会」 西山令子(新潟県)

「冬の餌場」 西巻正(新潟県)

「色くらべ」 古田敏春(新潟県)

「森の守神」 小澤千代子(新潟県)

「キャーッ!」 齋藤都(新潟県)

「作業日和」 平澤正光(新潟県)

「旅立ち」 佐藤俊男(新潟県)

「太陽の温もりが届く」 太滝日緑(山梨県)

「superマラソン頑張るぞ!」 岡本洋三(東京都)

「黎明の瞬」 齋藤喜嘉(山梨県)

「良く「ガンバッタ」ね」 依田辰男(山梨県)

「黒子ひと休み」 佐藤信吉(山梨県)

「第四コーナー」 皆川明(山梨県)

「神の山」 作地正健(山梨県)

「雨の断崖」 又賀義信(埼玉県)

「銀色のシューズ」 藤澤久子(山梨県)

「春の修行」 藤谷康男(神奈川県)

「祈祷」 沢登圭造(山梨県)

「富士山頂に二重雲」 志村茂雄(山梨県)

「日昇」 中道勉(神奈川県)

「棚田の夜明け」 新井傳(埼玉県)

「落日」 山口愛子(新潟県)

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2022/08/01
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