巨大なしめ縄のようなものの上に親子らしき姿。お父さんは息子をしっかりと抱いています。祭りが親から子へ確かに「想い」とともに、後世へ継承されていきます。美しい情景です。
白い装束を着た少女たちが、マリアさまを担いでいます。神聖な場面であることが自然と伝わってきます。緊張感があるからです。前後へのブレが効果的で、静的でありながら動的でもあります。
世の中の光景を大きく変えたものにスマホがあります。祭りでも同じです。でもこの二人の姿は何故かホッとさせてくれます。祭りの余韻を感じさせる穏やか時間が流れているからでしょう。
佐原の大祭夏祭りの一場面です。道の山車が進んで行きます。その手前の船上には浴衣を着た若い女性たちがずらり。風流という言葉が自然と湧いてきます。日本の美しき風景がここにあります。
祭りが終わったあとでしょうか。浴衣の女性が一人。どんな想いで歩いているのでしょうか。とても気になるところです。わからないからこそ、想像が膨らみます。写真全体に色気があります。
場所が持っている力に圧倒されます。ここに居るのはこの男性だけではありません。過去に生きた、今はいない人々の姿が背後に連なって感じられるからです。身近なところに歴史はひそんでいます。
幼い祭りの日の記憶で、後々まで覚えているのはこんな場面だったりするのかもしれません。大人が普段とは違う顔をしていたり、ふと心踊っている自分の姿に気づく時だからです。