「現代を撮る」をテーマに38回目を迎えた写真コンテスト「全日本写真展2010」(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、協賛:株式会社ニコンイメージングジャパン)の審査がこのほど朝日新聞東京本社で行われました。 今回の応募状況は、一般の部では、542名/3222点、高校生の部では308名/950点、総計850名/4172点の作品が集まりました。高校からの応募が40点増加しました。 (昨年応募状況:一般543名/3181点、高校325名/910点)
【総評】
「現代を撮る」というのは現代をどのように見つめているかを問われている写真コンテストだ。混沌とした世の中を一枚で語るのはなかなか難しいが、今を問う、見る人に問題提起やイメージを発展させる中身の濃い写真が多かった。
今の少子化の現実を的確に表している。一枚でメッセージを伝えるという点では一番インパクトがあった。特に強調したわけではなく、普通に撮り提示しているだけだが、見る人に考える力を呼び起こさせる。
「絆」 松浦 昭子(千葉県)
行く末を想像させる。先を案じながらも、がんばっていこうというメッセージが背中から伝わって来る。光のとらえ方がうまい。
「God Bless the Earth」 鈴木 明久(東京都)
はきれいなだけではなく、漠然とした不安を感じさせる作品だ。地球温暖化など環境に対する強いメッセージを発しているようだ。
「道草」 吉田 照人(長野県)
犬と人物の対照が面白い。背中合わせで別々の事を考えているようだが、ふたりの信頼関係がよく現れている。
「ビーチ仮面」 伊藤 邦郎(三重県)
サーフボードを仮面に見立て、背景に人物をうまく配置した画面構成にインパクトがあった。絵柄が新鮮でアイデアが感じられる。
「いやしの空間」 寺澤 啓(岡山県)
夜の商店街にも見えるがゲームセンター。個々で楽しむ世相をよく表している。空間性も面白いが批評性もある。