「朝日写真展」は全日本写真連盟創立時の1926年(大正15年)に開催された「日本写真大サロン」に起源し、その後名称を変えてから78回目を迎える最も歴史ある写真展です。
第78回朝日写真展は、審査委員長に写真家の榎並悦子さんを迎え、全国から296人、1221点が寄せられました。審査の結果、朝日大賞には水島智子さん(福岡県北九州市)の「ハッピータイム」が選ばれました。
入賞作品は 3月25日(金)から 3月31日(木)まで 大阪市中央区本町の富士フイルムフォトサロン大阪 (午前10時から午後7時、最終日は午後2時まで、入場無料)で展示されます。 予定しておりました表彰式は中止いたします。
※新型コロナウイルス感染防止対策により変更することがあります。WEBサイトでご確認の上お出かけください。
■審査委員長■
写真家 榎並 悦子
■審査員■
総本部理事 林 栄之
関西本部委員長 山中健次
関西本部長 中田 徹
【総 評】 審査委員長 榎並悦子
写真にはその時代が写し込まれています。すっかりマスクが定着した今日、日常にカメラを向けることが、すでにウィズコロナの時代を切り撮っているといえるでしょう。ことさらに強調しなくても、確実に現代を伝えている作品がたくさん集まりました。
講評 審査委員長 榎並悦子
まるでお風呂上がりの顔を拭いてもらっているような馬の表情に癒やされます。少女と馬のふれあいを臨場感たっぷりに構成しています。
講評 審査委員長 榎並悦子
ミラーに写り込む人々がデフォルメされていて、非常に面白い画となりました。単に体が伸びて見えるだけでなく、上下の組み合わせが興味をそそります。
講評 審査委員長 榎並悦子
大きなキリンのオブジェが目を引きます。カメラアングルが見事で獣舎をのぞき込む男の子に話しかけているようです。
講評 関西本部委員長 山中健次
隙間から見える水着の女性たち。一方、灼熱の太陽の下、トタン屋根の工事をしている若い男性4人。社会の断片を見たような気がします。
講評 関西本部長 中田 徹
仮装し街に繰り出す前の一場面を、力みなく切り取っています。人物のバランスが絶妙です。
講評 総本部理事 林 栄之
長い影が描く意外性のある光景を発見した視点の良さとスマホを見る人物に時代を感じさせる。
講評 関西本部委員長 山中健次
ソファーでうたた寝をしているおばあさん。その隣には同じようにうたた寝をしている老犬らしきワンちゃん。1人と1匹に心地良い時間が流れているようです。
講評 総本部理事 林 栄之
横断歩道にボランティアと駅伝ランナーの瞬間の動きを直線に配する構成の巧さが光ります。
講評 関西本部委員長 山中健次
暗い場所で大きな器に金魚が入れられ、それらをスマホで活写するマスクの人々。綺麗な金魚を写しているのですが、笑えない光景です。
講評 関西本部長 中田 徹
飛び立つ水鳥の波紋が、逆光気味の水面にきれいに浮かび上がっています。シンメトリックな構図でリズム感のある作品に。
講評 総本部理事 林 栄之
スローシャッターによる水の表現が美しい。待つ時間の長さと釣り人の忍耐力が伝わります。
講評 関西本部委員長 山中健次
外されたドアや薄汚れた段ボールに囲まれた山羊小屋。檻の中から寂しそうにこちらを見ている姿に哀愁を感じます。
講評 関西本部長 中田 徹
被写体の存在感に負けず近距離で撮影した力強い街頭スナップ。指を組んだ男性の表情が特に印象的です。