第76回朝日写真展には、全国39都府県から275人、1175点(組み写真は1点とみなす)が寄せられました。審査の結果、朝日大賞には鈴木一彦さん(大阪市)の「25時の街」が選ばれました。
入賞作品は7月3日から9日まで、大阪市中央区本町の富士フイルムフォトサロン大阪(午前10時から午後7時、最終日は午後2時まで、入場無料)で展示予定です。※新型コロナウイルス感染防止対策により変更することがあります。WEBサイトでご確認の上お出かけください。
◇審査委員長
林 栄之(全日本写真連盟 総本部理事)
◇審査員
山中健次(全日本写真連盟 関西本部委員長)
田中 賢(同 関西本部委員)
鞠川 寛(同 関西本部委員)
浅野哲司(同 関西本部長)
【総評】 総本部理事 林 栄之
デジタルカメラはフィルム時代では表現できなかったことを可能にして表現の幅を拡げてくれます。そのような作品を期待しているのですが斬新な表現をした作品は少なく、発想も表現もよくても独りよがりの作品になったりして結局、いい表情、いいタイミングとだれもが納得できる作品が上がってきます。その中で撮影者の感動と主張がストレートに伝わってくる作品でかつプリントのクオリティもいい作品が選ばれました。イベントや祭りいわば「ハレ」を追うのではなく日常「ケ」を撮った作品が増えてくることを期待しています。
講評 関西本部長 浅野哲司
ワイドで狙った、メタリックな車のボディと提灯行灯の融合感がとてもいいです。髪や靴からわかる女性ドライバーが効いています。
講評 関西本部委員長 山中健次
ママが広~い場所で幼子を抱きながら模型グライダーを飛ばしています。ママに動きがあり子の表情も良く、爽やかな作品です。
講評 総本部理事 林 栄之
慣れない手つきでホックを止めようとするいじらしい姿に撮影者の愛情を感じます。
講評 関西本部委員長 山中健次
アシカが息を吐いた瞬間でしょうか?水面に泡が多数見られ、周囲には落下した桜花があります。シュールな感じが良いですねぇ。
講評 関西本部委員 鞠川 寛
二匹の対決を絶妙のタイミングで撮影している。動感ある表現も素晴らしく、作者の写真センスが伝わる。
講評 関西本部委員 田中 賢
沖縄県の戦争遺跡である陣地壕内の遺品や哀悼の意を表する生花などで丁寧に組み、平和を祈念する作者の心情を表現した秀作です。
講評 関西本部委員 鞠川 寛
酔いつぶれて眠る?男の姿、頭上の提灯や談笑する男達が印象的です。祭りの裏側の独特な雰囲気を感じる。
講評 関西本部委員 田中 賢
せっかくの祭りも雨。ご馳走を運ぶ人、歩行補助車を押す婦人。その二人の関係性や土地柄にまで想像が膨らむ力作です。
講評 関西本部委員長 山中健次
快晴の海水浴場で出会った若い夫婦。女性の大きなお腹が目立つように撮影しています。よくぞ撮りました。凄い。
講評 関西本部委員 鞠川 寛
人とペットの微笑ましい一コマを見事に捉えている。人間と動物の共生が叫ばれる今日、愛のある作品になった。
講評 総本部理事 林 栄之
映り込みのようだが不思議な光景に仕上がっている。観察眼と構想力が相まってこの作品を作り出した。
講評 関西本部委員 田中 賢
母親が二人の息子の髪を丸刈りにしている。昭和時代を懐旧する珍しい光景。人物の配置、表情の捉え方が秀逸です。
講評 関西本部長 浅野哲司
斜光の階段を昇る生徒。自分の大きさ程の弦楽器の質感もよく出ています。この写真の肝は左腕。女子の力強さを感じます。