「朝日写真展」は全日本写真連盟創立時の1926年(大正15年)に開催された「日本写真大サロン」に起源し、その後名称を変えてから82回目を迎える最も歴史ある写真展です。
第82回朝日写真展は、審査委員長に全日写連副会長の写真家・榎並悦子さんを迎え、全国から220人、905点の作品が寄せられました。
審査の結果、朝日大賞には塩見芳隆さん(京都府)の「真剣勝負」が選ばれました。
■審査委員長 榎並 悦子 (写真家・全日本写真連盟副会長)
■審 査 員 山中 健次 (全日本写真連盟総本部理事兼関西本部委員長)
澤野 二朗 (全日本写真連盟総本部理事)
谷口 晃隆 (全日本写真連盟総本部理事)
橋本 弦 (全日本写真連盟関西本部長)
【総 評】
今回も全国から多数の応募をいただきました。街中のスナップや祭、各地の行事をとらえた作品が多く、その中でも物語性の豊かな作品が印象に残りました。粘り強く待ち構えてとらえた一枚、あるいは不意の出来事に瞬時に反応した作品など、撮影者の集中力と観察力が光っていました。被写体をよく観察し、訪れた好機を逃さず写し取った作品からは、写真の持つ力と魅力が存分に感じ取れました。
(審査委員長 榎並悦子)
■主催 全日本写真連盟関西本部 朝日新聞社
■協賛 株式会社エツミ
◆入賞作品展示◆
日時 : 4月8日(水)~ 14日(火)最終日は15時まで
会場 : 大阪市北区 中之島フェスティバルタワー13F
※期間中常時展示ですが、照明施設がないので日没までのご来場をお勧めいたします
講評 写真家・全日本写真連盟副会長 榎並悦子
京都・八坂神社で毎年開かれる正月行事「かるた初め式」で撮影された作品です。百人一首の上の句が読み上げられた瞬間、宙を舞う札。その一瞬を鮮やかにとらえたこの作品は、札を追う両者の真剣な眼差しが画面に強い緊張感をみなぎらせ、見るものにも思わず固唾をのませます。場所取りに苦労されたようですが、その努力が実を結び、迫力溢れる一枚に仕上がりました。
講評 写真家・全日本写真連盟副会長 榎並悦子
車椅子の男性が、満面の笑みで握手をしています。しかしその相手はなぜかマネキンの手。予想外の光景に思わず笑いました。どこかくすぐったい感覚が生まれるのは、温もりを感じさせる人の手と、無機質なマネキンの手との対比からでしょうか。見る人の心をふっと軽くしてくれる、笑いの魅力にあふれた作品です。
講評 写真家・全日本写真連盟副会長 榎並悦子
タンチョウといえば優雅に舞う姿を思い浮かべますが、ここでは思いのほかスタスタと歩く姿が可愛らしく、笑いを誘います。魚をくわえて歩く姿は愛嬌があり、どこかコケティッシュな魅力も感じられます。側ではカラスが横取りをねらっているようですが、体格差は歴然。その対比が喜劇の一場面のようで、タンチョウの意外で愉快な一面を鮮やかに切り取った、ユーモアあふれる作品です。
講評 関西本部長 橋本 弦
友達と二人、日が傾くまで虫取りに興じる子どもたちの後ろ姿を美しいモノクロームで切り取っています。過ぎゆく夏を惜しむ、少し切ない心象を、草原に伸びる影を主題とすることで巧みに表現しています。
講評 総本部理事 山中健次
普段は中を見られない鋼板で囲まれた工事現場。幸運にも、この日は扉が開いていたようです。立ち止まって、中をのぞいている女の子と兄らしい男の子。この二人には、何がどう見えたのだろうか。未来だったのでしょうか。
講評 総本部理事 山中健次
新潟県の「小千谷牛の角突き」の会場で暴れる牛を勢子(せこ)が捕まえ、角や鼻先を押さえて静かにさせようとしているようです。しかし、なかなか抑えきれないようで牛との格闘の凄さが伝わってきます。