「朝日写真展」は全日本写真連盟創立時の1926年(大正15年)に開催された「日本写真大サロン」に起源し、その後名称を変えてから79回目を迎える最も歴史ある写真展です。
第79回朝日写真展は、審査委員長に全日写連副会長の写真家・榎並悦子さんを迎え、全国から243人、1,053点の作品が寄せられました。
審査の結果、朝日大賞には西村充康さん(奈良県奈良市)の「ほら!虹が・・・」が選ばれました。
■審査委員長■
写真家 榎並 悦子(全日本写真連盟副会長)
■審 査 員■
林 栄之 (全日本写真連盟総本部理事)
山中健次 (全日本写真連盟総本部理事/関西本部委員長)
中田 徹 (全日本写真連盟関西本部長)
◇展 示◇
日 時 : 5月19日日(金)~5月25日(木)
午前10時から午後7時、最終日は午後2時まで
会 場 : 大阪市中央区本町の富士フイルムフォトサロン大阪 入場無料
※新型コロナウイルス感染防止対策により変更することがあります。
WEBサイトでご確認の上お出かけください。
【総 評】 審査委員長 榎並悦子
昨夏あたりから、コロナ禍で中止となっていた祭りやイベントも少しずつ再開され、写真愛好家にとってはようやく明るい気持ちで元気に撮影に出かけられるようになってきました。応募作品もより賑やかで華やかな彩りのものが増えたと思います。何よりスナップショット作品が多かったことに、みなさんの前向きな気持ちが反映されていて、撮る楽しさが十分に伝わってきました。
(敬称略)
講評 審査委員長 写真家 榎並悦子
電車のドアが開くと見事な虹が! 作者は車窓から虹を見て、撮るタイミングを計っていたのでしょう。作者の高揚感と車内の様子の対比が組み合わせの妙です。
講評 審査委員長 写真家 榎並悦子
雪の日のウエディングフォト。寒いはずなのに鹿たちの祝福を受けて新郎新婦の笑顔が弾けました。こころ温まる素敵な情景を伝えています。
講評 審査委員長 写真家 榎並悦子
雲海を見ようと集まった人たちをシルエットでとらえたことで、オリジナリティ溢れる絶景写真となりました。大胆な太陽の取り込みも印象を強めています。
講評 総本部理事兼関西本部委員長 山中健次
蚊取り線香の煙だと思いますが、空中に漂い、女性が1人で食事をしています。窓を開けて爽やかな風が入ってきているようですが、少し侘しさを感じます。
講評 総本部理事 林 栄之
見事な瞬間を光が演出した。飛翔の形だけではなく、透けた羽に小魚を咥えた影が映り込みより深みのある作品になっている。
講評 総本部理事 林 栄之
長老は打ち合わせで若手は器具の点検でしょうか、集落の共同作業の役割分担や人間関係が透けてみえます。
講評 関西本部長 中田 徹
幕に映った人影と、振り向いたかのような子鹿の姿が効果的で、幕の奥を少し見せたフレーミングも絶妙です。鹿のまつ毛まできれいにシルエットになっています。
講評 関西本部長 中田 徹
大きくなったおなか越しに、その日を待ちわびる夫婦の足四つ。シンプルな要素と構図の大胆さで、両親の思いを表現したマタニティフォトです。
講評 総本部理事兼関西本部委員長 山中健次
車の中から夜の星空を撮影しています。ちょっと意表を突いた撮り方で、ハンドルなどを入れたことで単なる風景写真ではなく、作者のロマンが表現されています。
講評 総本部理事 林 栄之
猫の眼に合わせローアングルは猫を撮る基本とか。魚を咥え悠然と歩む姿は堂々としており背景の描写も良い。
講評 関西本部長 中田 徹
フェンスで囲まれた狭い空間で寝かしつけられている子どもと、見張っているかのような大型犬。どんな危険があるのか、何から守られているのか、想像力が試される作品です。
講評 関西本部長 中田 徹
地域に伝わる盆踊りの一場面でしょうか。背景を無彩色気味に抑えたことで、背負った浴衣姿の人形、帯の色鮮やかさが浮き上がっています。
講評 総本部理事兼関西本部委員長 山中健次
大きな白い慈母大観音の下で作業をする多数の人々。大小の比較が印象的で「人間って、ちっぽけやなぁ」という感想が漏れそうで、意味が深い作品なのではと思います。