全日本写真連盟

第35回いつでもどこでもフォト俳句

選評 中谷吉隆(写真家)
【総評】
 今回の作品で季語の無い俳句が多くあり、しかもベテランの作にも見られ驚きでした。また、逆に多重季語の句も見られ、これまたどうしたことかと首を傾げました。
 それと、ぎくしゃくしてリズム感に欠ける句もありました。俳聖芭蕉は「舌頭千転」を説きます。何回か口にしていると言葉の使い方を変えるとかが分かりリズムを整えられます。


【全日写連会員の皆様よりフォト俳句の作品を募集します】

第36回いつでもどこでもフォト俳句(2027年1-2月合併号)の『締め切りは2026年11月10日(必着)』です。
第37回いつでもどこでもフォト俳句(2027年3-4月合併号)の『締め切りは2027年1月10日(必着)』です。

【投稿の方法】
応募は郵送(2Lサイズ)かメール添付(JPEG)で、
写真の裏に、①自作の俳句、②住所、氏名を明記してください。
一人5句まで。作品は返却しません。
〒104-8011 朝日新聞東京本社全日本写真連盟「フォト俳句」係
メール:ajaps@photo-asahi.com

 優秀賞「カルピスの底の甘みや夏の庭」 福岡育代(東京都)

キャッチフレーズが「初恋の味」の乳酸菌飲料。エキスや糖分が底に溜まり易い飲料は多く、ボトルを良く振る指示があります。庭で線香花火に興じる子の姿を、縁側で良く冷えたカルピスを頂きながら眺めている、祖父母や両親たちが目に見えてきます。初恋を思い出しているのかも知れません。幸せ感あふれる、ある夏の夜の物語を謳いあげました。

 入選「秋じめり森のおしゃべりひそひそと」 西村美枝(長野県)

まったく今年の気象は異常だらけです。秋の長雨とは言うものの、そんな状況ではなく各地で被害続出です。そうでなくてもジメジメと湿っていて身体にもこたえます。森のキノコたちも近年の地球温暖化現象での自分たちの環境変化を語り合っているようで、実感がこもっています。

 入選「織姫や独り暮らしが増え続く」 松林義明(兵庫県)

年に一度、七夕の日に牽牛星と会うまで織姫すなわち織女星は一人暮らし。この句は単にそのことを語るだけではなく、現代の日本での独身化が進む若い女性の生き方や高齢化社会での女性の一人暮らしのあり方を想像させています。深みと味わいのある作としてあるようです。

 佳作

「金秋といふつかの間を愛ほしむ」 嶋川龍雄(青森県)

「燃える秋これから俺は俺の道」 榎原等(神奈川県)

「念仏が光明となる十夜寺」 小杉美千代(神奈川県)

「またひとり昭和消えゆく秋の暮」 中川富夫(京都府)

「学び舎を吾子と訪ねし盆帰省」 久保和子(兵庫県)

「宿題を残して過ぎる夏休み」 岩谷文勝(福岡県)

 選者作例「賭将棋その相棒の懐手」 中谷吉隆((俳号 龍子))

東京・新橋駅前が整備され今のSL広場となるが、昭和四十年代のころには大規模な場外馬券売り場があり賑わった。その客を相手に、どでかい将棋盤を置き賭将棋をやっていた。着流しの御仁が簡単に詰ませ金品を受け取る。客がやる気を起こすと、その男(実は客寄せの相棒)は、少し離れたところで懐手をして客の動向を注視していた。この猫も片陰から様子を伺っている。「昭和は遠くなりにけり」である。

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2022/08/01
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