審査 写真家・関東本部委員 山本純一
総評
今年は例年と違い、天候に恵まれたものの頻繁に出没しているツキノワグマ対策で、夜明け前と日没後は撮影を控えなければならない秋の撮影会となりました。
自然と対峙する写真撮影は、何よりも安全対策が第一です。限られた時間帯の中でしたが、31名の応募者から139点の作品が集まりました。全体にハイレベルで多様な視点の作品が多くありました。
上位には独自の視点で個性を強く感じる作品が残りました。少し残念な点は、ピントが甘いものや被写体ブレと過度な画像処理も散見されました。紅葉はきれいですが、色が多いほど画面整理が難しい被写体です。色も大事ですが、光や影を意識した作画も心掛けると更に撮影の幅が広がります。
道の中央から見つめる先には、傘雲を纏う鳥海山が鎮座。走り去る車が画面に緊張感を与えています。道路のセンター部分のみ明るく仕上げ、高感度を使い画面全体を粗くした絵作りが見事です。これにより畏怖の念を強く感じさせる印象的な作品に仕上げています。
苔むす渓流に木漏れ日が差し込み、流された枯葉が1箇所に集まっています。落ち葉の塊に光が当たる瞬間を待ちスローシャッターでリズミカルに作画した素晴らしい作品です。偏光フィルターも適度に効かせていて仕上げも見事です。
「秋の共演」 山口恒弥(山形県天童支部)
大地に根を張り、豪雪に耐えて生き抜くダケカンバを、超広角レンズを駆使してダイナミックに表現しています。絞りを絞り込んでピントを深くしたのが画面により緊張感を与えています。