審査 関東本部委員 加藤明見
総評
撮撮影時間が十分に確保できないためか、応募作品は比較的身近な場所で撮影されたものが多かった。撮影機種はスマートフォンが多く、作者がいつでも携行し、気軽に撮影していることが伺えた。
作品の中には、主役を強調するため不要なものを画面に入れない構図としたり、プリント仕上げに課題があるものが見受けられた。これらを改善すると、作品が一層良くなるだろう。
学業があり写真に時間を費やすのは難しいかもしれない。しかし、カメラブレがなく、光線状態を読み、構図を整え、プリント仕上げが良ければ、作品はさらに向上する。次年度の応募を期待したい。
浴衣姿の女性が夕日に向かって歩く姿を後ろからとらえた作品。レンズが汚れていたのか、フレアーやゴーストが強く生じており、評価が分かれる。しかし、私は左側の女性に動きが見え、通路の手すりが奥行き感を与え、人物の配置や構図も良いと評価した。ゴーストの表現は斬新で、素敵なスナップ作品だと感じる。
光線状態が良く、緑の葉の中にピンク色の満開のムクゲが鮮やかに再現されている。画面に花を二輪配置し、手前右下に大きく、後方左側に小さく配置した構図が良い。左下の枝や画面下の花が無ければ画面が整理されることから、緑の葉の中で花がさらに美しく感じるだろう。