講評 関東本部委員 畑上稔生
総 評
期間が限られた条件での撮影では天候など制限もあり苦労されたのではないでしょうか。その中で上位作品では撮影意図が明確で適切な表現方法による作品が多く見られて楽しく拝見しました。素材の発見・対象の観察などさらに磨きをかけて撮影を楽しんでください。
一方、撮影後の自分の作品の自己評価に時間をかけることも上達への大切な道です。撮影時の思い入れから離れて客観的にみる習慣が必要です。
皆様の更なるご活躍を願っています。
山頂を目指して泳ぐ鯉のぼりの姿がシンプルで力強い。世界中に知れ渡る日本の象徴、富士山の魅力を明快に表現しています。写真の原点、映像に備わった単刀直入な力が遺憾なく発揮されています。五月の風に吹かれて、観る人の心の霧を吹き払ってくれるような作品です。
茅葺屋根が密集し、その上にそびえる富士を望める絶好の場所ですね。インバウンドの人々の着物姿も何故か風景に溶け込んでいます。かつて災害により流失した集落を再現した観光施設のようですが、日本の原風景としてこれからもずっと残し伝えていきたいですね。
芝桜の海に浮かぶ青いボートにご機嫌の二人が楽しい。かけた声に反応してくれたポーズと笑顔もうれしい。撮る側と撮られる側の距離感がぴったりで、同時に景色の広がりを強調するワイドレンズの選択が良かった。撮影会ならではの高揚感が伝わってきます。
山岳信仰と結びついた日本の自然観・文化観の究極が富士信仰でしょう。山麓での神事が雄大な富士を背景に厳かに行われ、世界文化遺産としての面目を再認識させられます。日の丸を先頭におそらく画面の外にも連なっている万国旗がいかにも今日的な光景です。
限りなく広がるネモフィラブルーに続く富士山腹の青、そしてスカイブルーへと青を基調とした画面に吸い込まれそうな風景です。絵筆を遊ばせたようなタッチの白い雲と残雪が視線を奥へと誘い、爽快な五月の風を感じることが出来る作品です。
「ニイー・ハオー」 角田東洋男(笛吹市)
山中湖に住み着いたコブハクチョウは人にも慣れて観光客に人気のようです。子供と白鳥がお互いに相手を観察しながら挨拶を交わすような仕草がかわいい。この瞬間にすかさずシャッターを切った作者のスナップ力が光ります。背景にさりげなく富士山を入れることを忘れなかったのも良かった。