全日本写真連盟

2023年度公開審査写真コンテスト

審査 関東本部委員長 江連康晴

 3年ぶりの総会と公開審査に参加させていただきました。久しぶりの総会とあって、また50周年を迎えるにあたって活発な議論が行なわれました。そのあと昼食をはさんで午後から公開審査を行いました。
 テーマは「自由」でしたのでいろいろなジャンルから作品が応募されていました。どれも力作ぞろいなので選ぶのに苦労をしましたが、最優秀賞には中村邦夫さんの「代かき」を選ばせていただきました。高齢化社会の中での農業に従事する誇りと喜び辛さが表現された生活の営みの作品でした。今後も社会派ドキュメンタリーチックな作品作りを続けていただきたいと思います。
 ほかにも福島ならではの美しい風景、イベント行事での一コマ、子供さんたちの作品等、素晴らしい力作が応募されています。これからも仲間と楽しく写真力を研鑽し高めていってください。次回も力作を期待しています。

 最優秀賞「代かき」 中村邦夫(郡山支部)

田植えする前の代かきを一連の動作のなかで日常の営みとして表現した組み写真。代かき棒を握り締めながら滑り落ちた瞬間のシーン。泥の質感描写と水面の輝きの美しさ。一仕事終えて腰の痛みを支えている代かき棒。「歳はとってもまだまだ・・・」と高齢化社会の中で農業に従事する誇りと希望が、この3枚で表現された作品です。

 朝日新聞社賞「人生のひとこま」 猪越京子(郡山支部)

車窓を眺めていて目に飛び込んできた映り込み。ガラスに反射した車内の虚像をカメラに収めたということですが、車窓を通して外の景色が流れていく、時の流れを多重露光のように感じさせられる不思議な映像です。タイトル通りの狙いが表現されました。

 全日本写真連盟賞「雪山を越えて」 吉田進(須賀川支部)

越冬するのに山越えをする写真は珍しく感じます。手前の雪と残雪のある山を背景に奥行き感と広がり感を醸し出していて、一羽の白鳥が連続写真のように一連の動きをしているようにも感じさせられます。ブルーがかった空の色もアクセントとなり、とても美しい作品となりました。

 優秀賞「10歳vs90歳」 栗原陽子(伊達支部)

おばあちゃんと孫のオセロゲーム。お互いが真剣な面持ちでゲームをしている様子がうかがえます。おばあちゃんが置こうとするコマを見て「それはないよ!!」と言わんばかに口をとがらせた表情と力が入った左手の指先に、その場の駆け引きの状況が伝わります。併せてやり取りするいろいろな会話が聞こえてきそうな一場面ですね。

 優秀賞「おひとつどうぞ」 根上直行(郡山支部)

お地蔵様のまつられている祠の前で、散歩でもして一休みなのか食べ物を差し出すシーンをうまくカメラに収めました。季節感を表す桜と水仙もアクセントとなり、特に赤い前掛けをした地蔵さまも引き立て役になっています。全体を通して映画のワンシーンのような作品になりました。

 優秀賞「種蒔き桜の晴姿」 戸田勝昭(喜多方支部)

日の丸構図を活かした作品。真ん中に満開の桜を取り込み背景には残雪の山々と青空。雄大な風景をバックに中央には農作業に従事する人物を入れて日常の生活の営みを表現しています。ここでは、春を強調する桜のインパクトが印象的です。

全日本写真連盟からのお知らせ

総本部
19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
総本部
19/2/15 「全日写連」ルールについて
EPSON

English Information

2022/08/01
About The All-Japan Association of Photographic Societies
contact

〒104-8011
東京都中央区築地5-3-2
朝日新聞東京本社内 全日本写真連盟事務局
TEL:03-5540-7413