全日本写真連盟

群馬県本部令和4年7月例会

審査講評 写真家・関東本部委員 桃井一至

 1席

「闘牛」 綾部すが(桐生支部)
画面いっぱいに広がる熾烈な表情。
目つきからも、真剣勝負であるのがわかります。
さらに筋肉の動きや毛並みからも迫力が伝わりました。
シンプルな構成ですが、力を伝えるにはじゅうぶん。
勝負の行方が気になるところです。

 2席

「橋と鳩(3枚組)」 細野祐一(高崎支部)
同じ橋脚を使って、鳩の様子を撮影。ともすれば、平板な印象になりがちなところ、強い陰影を活かして、立体感が盛り込まれています。
ついシルエットと実像を照らし合わせて、対比してしまいました。
3枚構成にしたのも、強弱がついて、面白いと思います。
日常風景を印象的に捉えた良作です。

 3席

「暗闇に浮かぶ」 佐藤宏冶(高崎支部)
赤い光と黒のコントラストが印象的です。
たまたまなのか狙ったのかわかりませんが、チャンスを味方につけるのも大切。
ほかにも生活の中の魅力的な光を集めて、組写真に仕上げてみるのもいいかもしれません。

 4席

「視線(3枚組)」 高橋淑子(高崎支部)
これはかなり狙いにかかりましたね。
それにしても、この3枚の間には時間の幅があったでしょうから、ぶれずに撮り集めるのは大変だったでしょう。そのかいあって、まとまりよく出来ています。
贅沢を言うならば、左右の写真の視線は一対方向だとさらによかったと思います。

 5席

「乱舞」 大島正俊(高崎シティクラブ)
幻想的な滝だけでもフォトジェニックなのに、さらにホタルのトッピング付きで見どころ満点。このような恵まれた環境があるのにも驚きです。
ホタル撮影は昔よりも簡単になったと言っても、相手は思い通りに動いてくれませんから運も大切。努力賞ものです。

 6席

「祈り」 今泉幸一(桐生支部)
枯木の桜でしょうか。かなり大きな幹ですから、地元の人たちに長年愛され続けているシンボルで、よく見ると社まで置かれていますから、日常的に手を合わせる方たちも多いのでしょう。写真から状況はよく伝わりますが、広角で近づくほうが、さらに桜の力強さなどが増すように思います。

 7席

「ポンポンポン」 吉澤恭子(フォトクラブ前橋)
昔はよくみかけた古タイヤの遊具も、最近は見かける機会も減り、懐かしく思いながら見ていますが、まず弧を描くタイヤの並びと子どもたちの遊びかた、そして、写真タイトルから、とても良いリズムを感じます。子どもの表情や動きが見えるとさらに良いでしょう。こういうときは動きに合わせて、多めに撮るのがコツです。

 8席

「威嚇」 石原圭子(高崎支部)
写真だけでは、鳥が会話しているのかと思いきや、タイトルを読むと逆でした。
背景の緑が印象的ですが、よく見ると羽根も光って、不思議な雰囲気。
シルエットで鳥の様子が見えないぶん、想像が膨らみます。
縄張り争いか、それともエサの取り合いなのか、気になるところです。

 9席

「掘り出し物」 須藤明(桐生支部)
道具が所狭しと並ぶ陳列台。お互いの表情や手の仕草から、交渉は山場のようですが、駆け引きがどのようなものなのか、とても気になります。
主役のふたりを左右いっぱいに置き、必要な要素もしっかり盛り込んでうまく構成されています。

 10席

「高原」 富吉和俊(高崎支部)
遠くの山々を背景にグライダーでしょうか。見ていてとても気持ちの良い写真です。地形の高低差もあるのかもしれませんが、あえてカメラ位置を低くしたことで、視線が変わり迫力が増しています。ポスターのような一枚に仕上がりました。

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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2022/08/01
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