全日本写真連盟

令和4年5月例会

審査 写真家・関東本部委員 桃井一至

 1席

「家族のシルエット」 石原圭子(高崎支部)
直線基調の画面と色の対比の中に浮かび上がる衣類。これほど洗濯物が美しく感じたことはないかもしれません。間接的に想像されるタイトルも秀逸です。なお、対象が洗濯物だけに、自宅以外での撮影は許可を得るなど、慎重な対応をおすすめします。

 2席

「別世界」 高橋淑子(高崎支部)
これは水たまりに映る風景、または多重露光でしょうか。反射のなかに青や紫の色が織り交ぜられ、中央のふたりの関係性なども想像していまいます。吸い込まれるような不思議な感覚に陥り、心地よいです。

 3席

「だるま供養」 富吉和俊(高崎支部)
一瞬、合成写真かと、目を疑うほどにしっかり撮れています。燃え盛る炎の力強さは文句なし。画面いっぱいにあふれるくらいの炎の中、耐えるだるまとの対比が目を引きます。お互いに赤いものですが、同じ赤でも色味が違うため、相乗効果で迫力満点です。

 4席

「花見時」 大島正俊(高崎シティクラブ)
淡い色合いが美しく、凪いだ水面に映る景色で2倍得した感じです。全般的な構成としては、この調子で良いと思いますが、画面中央右にある一本の緑だけが気になります。いっそのこと、画面左半分で詰めて撮れば、さらに安定した構図に仕上がるよう思います。

 5席

「軌」 田中剛(高崎支部)
きれいなS時カーブです。適度な遠近感で奥行きを感じつつ、タイトルにある主題以外の要素がシンプルなモノトーンふうになったことで、わだちが引き立ちました。まだ雪が路面にくっきり残る時間帯は朝早かったのでしょうか。こんな道を走り抜けると、気持ちいいでしょうね。

 6席

「変わり雲」 小林親市(桐生支部)
菜の花から察するに春先の光景のように思いますが、雲の形は秋っぽいですね。風が強く、変形して伸びてしまったようにも見えます。それにしても、色合いと雲の流れなど、見ていて気持ちの良い写真です。ムダな部分などはありませんが、写真がノイジーです。ISO感度設定などを確認ください。

 7席

「ベー」 金井孝(桐生支部)
画面いっぱいに広がる子どもの顔と表情。迫力満点でこちらも、つい笑みがこぼれてしまいます。しっかり保存しておけば、おとなになってから良い思い出になることでしょう。写真内容から外れますが、プリントクオリティが今ひとつです。ヘッドクリーニングなどお試しください。

 8席

「お寺の「おもてなし」」 鈴木正美(フォトクラブ前橋)
落ち着いた色調で、静かな時間の流れを感じます。手水の円もうまく切り取られています。石仏と花のどちらをメインに見せたいのかを、明確にすればさらにグッとよくなります。私なら、竹の「かけひ」もカットすると思います。

 9席

「異常なし」 細野祐一(高崎支部)
明暗のコントラストの強さに加え、警察官や人影などが入ると、ただ事でない様子が伝わり、心がざわつきます。警官の視点の先にはなにがあるのか、すごく気になりますので、タイトルはあえて、安心させずに含みを多少持たせるほうが、見る側のもやもやが膨らみ、面白いかもしれません。

 10席

「逆光の桜」 関谷文夫(高崎支部)
見事な枝振りの桜です。広角レンズの遠近感を活かして、画面いっぱいに広がる桜のボリュームは迫力満点。完全なシルエットにせずに桜色を残したのも良かったと思います。光芒を出すために絞り込んだのも正解!自然のパワーを感じます。

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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