全日本写真連盟

令和4年12月例会

審査 写真家・関東本部委員 桃井一至

 1席

「やっと晴れたな」 佐藤宏治(高崎支部)
カエルの作品は見かけても、後ろ姿は初めてかもしれません。小さな対象を大きく撮るのは案外難しく、しかもすぐに逃げてしまいそうなシーンですが、落ち着いてしっかり写せています。ボケを生かした臨場感も伝わり、タイトルもぴったりです。

 2席

「色づくとき」 大島正俊(高崎シティクラブ)
光を味方に絶妙な瞬間をうまく捉えています。木にこぼれた光が、曲線美を描き出し、暗部も潰れてさらに強調されました。また紅葉も下から燃えるように妖艶な雰囲気を添えています。これが人工的な光や加工でなく、自然の光だけで撮れたとすれば、かなりの強運。しっかり光も読めています。

 3席

「帆引き船」 島谷幸平(高崎シティクラブ)
船が斜めで一見不安定そうな構図に感じますが、風をはらんで大きく膨らむ帆が画面からはみ出すほどの勢いで大迫力。一方、帆から風を感じる割に波が弱く、船主さんの緊張感がなさそうに見えるのが不思議な写真です。

 4席

「花手水(3枚組)」 田中剛(高崎支部)
手水が並びます。周辺部が黒く落ちたことで手水が引き立ち、さらに黒と赤系のコントラストが美しく映えました。三者三様の手水で飽きることなく、眺めていられます。縦位置でなく、正方形で見せても良かったかもしれません。

 5席

「晩秋の情景」 鈴木正美(フォトクラブ前橋)

 6席

「夏の思い出(3枚組)」 高橋淑子(高崎支部)
2枚組の青空を、少し傾いた水面と地面を引き合いにした、面白い構成の作品です。広角レンズを使った広さも感じられ、のびのびと満喫した様子の伝わる気持ちのいい写真です。欲を言えば、思いでをさらに鮮明に感じられるよう、ひとひねりほしいところです。

 7席

「夕闇迫る」 富吉和俊(高崎支部)
夕焼けとのコラボもあって、見ごとなひつじ雲ですが、赤と黒のコントラストで不気味にすら感じられます。画面下部の家を少し入れることで、周辺状況もわかり、その対比から、雲の大きさをさらに感じられます。
シルエットのボリュームも適切で良かったと思います。

 8席

「恐竜出現」 福田哲夫(フォトクラブ前橋)
山の中に突如現れた大きな恐竜にびっくり。よく見れば、手の込んだ精巧な作りをしています。見学者の顔は見えませんが、目を丸くされている様子を想像するだけでも、おもしろい一枚です。背景もシンプルで恐竜が引き立ちました。

 9席

「染まる夕日」 小林時之(高崎シティクラブ)
遠くに見える山と木々が赤く染まって、目を奪われます。
よく見れば、画面中央下に白いクルマが写っていますが、その色から推察しても、燃えるような夕陽だったのでしょう。山にかかる雲の左周辺が、やや明るく感じますので、撮影時にアンダー気味で撮影して、レタッチでバランスを取るなどすれば、さらに見栄えよくなったことでしょう。

 10席

「散歩の時間」 細野祐一(高崎支部)
光のコントラストが写真のキモ。タイトルの「散歩〜」から、画面中央の犬が主役のように思うのですが、陽が当たらず下を向いてさみしい感じを受けます。無機質な雰囲気を醸し出すコンクリート管もさらに後押し。犬の今を案じてしまうほどの印象です。

全日本写真連盟からのお知らせ

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19/4/26 初心者向け公式写真撮影ガイドブック 発売中
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19/2/15 「全日写連」ルールについて
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2022/08/01
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