審査 関東本部委員長 江連康晴
今回の応募作品は皆さんの力作ぞろいで選ぶのに大変でした。特に狙いどころがはっきりして、それらを表現している作品や一瞬のハプニングを決定的瞬間としてカメラに収めている作品など、または生活感に根差した作品など数多く出されており、今以上に高みを目指そうとする意欲を感じさせられました。コロナ感染も下火になり写真に対する活動も戻りつつあります。健康には十分留意をしていただき、これからも写真の楽しさを満喫してください。そして地域に根差した写真文化と写友の輪の広がりを期待しています。
餅つきイベントをしている時なのでしょうか。よく観ると杵が割れています。周りの柔道部員の顔が「ワッオー」と驚きの表情。餅つきをしている時に間違って臼のかどにでもぶつけたのでしょう。一瞬の出来事をカメラに収めました。二度と取れない写真。これぞ決定的瞬間です。作者の技量に拍手です。
モノクロ作品にしたことでドラマチックな一枚になりました。大きな攩網の中に捕獲した魚を肩に担ぐ後ろ姿に、大漁の喜びに反して重くのしかかっています。その重量感が嬉しくもあり、辛さや苦しさも映し出されていて、生活感あふれる心情の表現を感じさせてくれます。
目にまばゆいほど黄金色に染まる海に投げ竿を持つ釣り人がシルエットに浮き上がって見えます。とても印象的な作品です。縦位置構図にしたことで打ち寄せる波の大きさ、奥行き感を表現できました。色使いと波のスケール感がインパクトをもたらしています。