2021年第5回山形写真サロン
コンテスト締め切り2021年8月31日
応募者数 103名 応募総数 180点
・一般・会員の部 34名(111点)
・学生の部 69名( 69点)
審査員 江連康晴(全日本写真連盟関東本部委員長)
総評
第5波コロナ非常事態宣言中とは言え、下火になってきた中で、審査をさせていただきました。皆さんの応募作品も自粛ムードで真新しい作品が少なかったと思います。それでもお蔵入りしていた過去の作品を見直す機会ともなって最新の作品と合わせて応募されていました。今回も地元ならではの特徴ある作品、作者が何伝えようとするのかといった表現力に沿って選ばせていただきました。次回も健康に気を付けて、楽しく撮影をしていただき、皆さんの力作を拝見できることを楽しみに待っています。
入賞者リスト
伝統ある獅子舞でしょう。それも獅子がジャンプをした瞬間をタイミングよく写し込んでいます。地面に落ちている獅子の羽もその動きの激しさの表現として印象的な効果を出しています。踊り手の顔が見えないのも見る側にいろいろと想像力を駆け巡らせてしまいます。
正月での寒修行とか成人式等でのみそぎの伝統行事かと思います。後ろから不意に水をかけられた瞬間に、気合を込めて耐え忍んでいる顔の引きつった表情をうまくとらえています。こちらまで水の冷たさが感じられてきます。
オリンピックもコロナ禍のなか開催され、何とか無事に閉会しました。山形県においても聖火ランナーが市中を駈けアピールした時の状況をこの日この時、歴史的記録としてとらえた作品になりました。素敵な笑顔を振りまき市民との絆とオリンピック成功に向けての願いが表現されています。
山形県といえば染料の素である紅花が有名です。その紅花をモチーフにして作品化しています。紅花にピントを合わせて後ろは人形でしょうか、それをぼかすことで心象的な作品にし、人形の口紅の赤を強調することで、紅花との関連性と印象をより一層高めています。
年に一度の子供たちによる地蔵転がしが行われ、各家庭を回って無病息災、五穀豊穣を願う祭りですね。玄関先における子供と大人のやり取りの関係を下からのアングルで表情をとらえ、インパクト感を打ち出して表現しています。おばあさんの表情から豊作を祈るとともに、子供の成長と早くコロナの終息を願うような祈りにと感じられます。
兄弟でしょうか、色とりどりの風鈴がつるされた下でお互い身を寄せ合って風鈴の音色を澄ましているようでもあります。暑い夏の季節に風鈴の音が鳴り響くことで涼しさを醸し出してくれます。夏の風物詩にでもなるような、ファンタジックでメルヘンチックな作品です。
黒猫の輝く瞳が印象的ですね。見つめる先には主人が駒を彫っている姿が目に入っているのでしょう。足元には駒が散らばっています。いつも仕事をする傍らで離れず見守り続ける関係と日常生活のなかでのまったりとした時間の流れを感じる作品です。
無風で垂れ下がったこいのぼり。これを撮りに来たのだろう女子高生のカメラマンたち。こいのぼりを撮ろうとしているのか、それともお互いを撮り合っているのだろうか、青春の1ページとしての記録のような面白さがあります。