全日本写真連盟

第7回山形写真サロン

審査員 小林 進(全日本写真連盟 関東本部委員)

応募者数  70名 応募総数 156点
★会員・一般の部  32名(115点)
★学生の部     38名( 41点)


 最優秀賞「伝承長瀞猪子踊り」 佐藤実(天童市)

ササラを奏でる花子の両脇を、猪子とカネブチが飛び跳ねた瞬間を見事に捉えた写真です。掛け声する人など、控えの演者の様子も画面に緊張感を与えています。背景を暗い場所にしたことによって主題が鮮明となりました。構成力等作者の能力の高さが伺える作品です。

 優秀賞

「ひとやすみ」 浅黄成美(河北町)
用水路の淵に座り、なにやら虫がいるのか腕を気にしている少女の傍らにはおにぎりがおいてあり、空は穏やかに晴れている。この時期特有の初夏のすがすがしい空気感に満ちた映像です。少女の服装からなのか遠い記憶を想起させる作品でもある。

「晩秋の鮭川」 樋渡博(新庄市)
漁獲を終えた漁師の後ろ姿は、晩秋の夕焼け空と相まって重厚感のある画面を作り上げました。それはあたかも故郷の鮭川を遡上してきた、鮭へのレクイエムなのかも知れません。光る鮭と空の周辺光量が落ちているのも効果的でした。

 秀作

「祭りの日」 小野浩也(新庄市)
獅子舞に怖がる少女と子供を抱くお父さんの豪快な顔が、なぜか未来を明るくしてくれるような気がします。獅子の口から操作する手が見えているのも、地域の祭りとしての飾らない親しみやすい暖かな雰囲気を作っています。

「ジャブジャブ源泉浴び」 笹原一則(天童市)
沿道の住民から湯をかけられながら白装束でお地蔵様を引く男たちの表情が、なんとも言えないユーモアのある顔で、思わず心が和みます。あちこちからの湯かけを高速シャッターで撮らえる事によって、画面に立体感を与えることが出来ました。

「踊り子」 井上孝男(新庄市)
踊り子の真ん中にいて、自分よりも数倍高いだろうお姉さんを見上げている、ふっくらした小さな踊り子はなんてキュートなんでしょう。少女を囲む踊り子の衣装に青が入っていたのも色彩的に有効でした。

 入選

「真夏のトビウオたち」 結城祐二(山形市)

「ひと休み」 須藤征義(大石田町)

「七夕飾りの駅で」 山中英一(山形市)

「三人揃って」 齋藤彰(新庄市)

「ワカサギ釣り」 鈴木貞治(天童市)

「蓮花の刈り取り」 武谷捷夫(鶴岡市)

「勢い」 山口恒弥(天童市)

「夕映えの親子」 高橋俊二(山形市)

「古民家」 西尾秀男(天童市)

「おーいスイッチ入れて」 庄司芳彦(山形市)

 学生の部 最優秀賞「夏の音」 設楽旦陽(山形南高校)

風鈴を手に取る女性の側から、気持ちよい涼風がまるでこちらへ吹いてくるようだ。ベージュ色の色調のなかにあるカラフルな風鈴は柔らかく、女性のやや物憂い横顔と相まって物語性がある映像となっています。

 学生の部 優秀賞

「夏の思い出」 森谷理名(山形西高校)
お揃いの浴衣を着てラムネを飲みながら語り合う二人は、これから先どんな人生を送るのでしょうか。二人の肩や手、足もとにも表情があり人を撮る時のエッセンスがこの画像に凝縮しているようです。ガラス戸に映る風景も時間を感じさせてくれます。

「スポットライト」 名和快斗(山形南高校)
夏の夜の公園を強力な一灯の街灯で写し止めた作品です。そのためジャングルジムに遠近感のある面白い陰影を作ることが出来ました。右端にある民家の反射も画面に奥行き感を与えています。

 学生の部 入選

「あじさい道」 鹿野のぞみ(東海大山形高校)

「夕焼けと影」 佐藤璃枝(羽黒高校)

「かくれんぼ」 二藤部陽香(東海大山形高校)

「黄昏の着陸」 齋藤泰地(山形南高校)

「停泊場」 杉山直駿(山形南高校)

「がんばれ」 菊池七稀(山形南高校)

「一手」 奥山陽太(山形南高校)

「今と昔」 三澤昇太(山形南高校)

「夕暮れ」 紺野美咲(東海大山形高校)

「霞城響」 佐藤礼嗣(山形南高校)

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2022/08/01
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