全日本写真連盟

全日本写真連盟創立100周年記念                        島根県本部 2025年度 島根朝日写真コンテスト

◇審査・講評  関西本部委員 田中 賢

【総評】
ある時、ある人から、「どのような基準で審査をしているのですか」と聞かれ、「被写体に封じ込められた作者の心の痕跡を探します」と応えたことがありました。もちろん同時に写真の基本であるピント、プリント色、構図、瞬間把握等、表現を支える技術についても確かめます。
 今回一次審査に残った作品の多くは前述の基本をクリアしていました。入賞作品には、” 作者の心の痕跡 ” が被写体に封じ込められており選者の心を揺さぶりました。

 

  ●100周年記念大賞 : 藤原 靜雄(雲南市)

  ●推 薦 : 石倉 太介(出雲市) 

  ●特 選 : 松谷 敏秀(浜田市) 西尾 透(出雲市)

  ●準特選 : 本木 儀和、 岩谷 順子(松江市) 三加茂 幸子(出雲市)

  ●入 選 :  加藤 正人、 吉井 睦雄、 三島 しげみ、 田坂 将、 樋野 淳巳、 田中 昭則、
          岡﨑 茂喜、 大森 学、 竹下 朗、 橘重 孝

 100周年記念大賞「願いを込めて」 藤原 靜雄(雲南市/一般)

大勢の人が寺の本堂で念仏を唱えながら巨大な数珠を回している状況を、広範囲に俯瞰撮影されているので、天井に響く読経の声や数珠の音などが伝わってくるようです。また本堂内の熱気が屋外の積雪をも溶かしそうに思える構成が素晴らしい。

 推薦「眠りにつく前に」 石倉 太介(出雲市/個人)

役務を終えて、車両基地に戻ってきたと思われる中央の車両の前照灯に照らされた一本のレールの赤い色は、運行で発生した車輪の余熱を代弁しているように感じます。綿密な撮影計画と深い表現意図に基づく秀作です。

 特選「虫送り神事」 松谷 敏秀(浜田市/浜田支部)

稲の害虫を追い払い豊作を祈願する日本の伝統行事の虫送り。行列を緑の棚田の中に小さく描写し、画面の奥に赤褐色の石州瓦の家屋を配した構成が個性的。石見地方の夏季の郷土色が見事に表現されています。

 特選「親子三代」 西尾 透(出雲市/フォト雲州支部)

束ねた稲を稲架に掛ける作業を絶好のタイミングで撮られています。稲刈りと脱穀が同時に行われている現代にあって、このような昔ながらの天日干し作業が、何世代にも渡って受け継がれてほしいと願いたくなる作品です。

 準特選

「水行」 本木 儀和(松江市/個人)
水行を行う人物の肢体が最も躍動的な瞬間を捉えています。逆光で高速シャッターを切ることによって、水飛沫が輝き人物のシルエットが克明に描写され、画面に力感が溢れています。

「水張田の夜明け」 岩谷 順子(松江市/朝日フォト神立支部)
田植え後の水田に夜明けの空と築地松を写し込み、出雲平野独特の美しい風景を表現されています。近頃は松を剪定する職人不足や松くい虫被害で消滅の危機にあるとか。記録写真としても貴重な作品です。

「七夕の帰り道」 三加茂 幸子(出雲市/朝日フォト神立支部)
七夕の笹を持って家路についてる少年少女たちの気持ちが、何かひとつのことに集中した一瞬を上手く捉えています。夕方の光に照らされた子供達は、短冊にどんな願いを託したのでしょう。

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2022/08/01
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