◇審査・講評 関西本部委員 田中 賢
【総評】
ある時、ある人から、「どのような基準で審査をしているのですか」と聞かれ、「被写体に封じ込められた作者の心の痕跡を探します」と応えたことがありました。もちろん同時に写真の基本であるピント、プリント色、構図、瞬間把握等、表現を支える技術についても確かめます。
今回一次審査に残った作品の多くは前述の基本をクリアしていました。入賞作品には、” 作者の心の痕跡 ” が被写体に封じ込められており選者の心を揺さぶりました。
●100周年記念大賞 : 藤原 靜雄(雲南市)
●推 薦 : 石倉 太介(出雲市)
●特 選 : 松谷 敏秀(浜田市) 西尾 透(出雲市)
●準特選 : 本木 儀和、 岩谷 順子(松江市) 三加茂 幸子(出雲市)
●入 選 : 加藤 正人、 吉井 睦雄、 三島 しげみ、 田坂 将、 樋野 淳巳、 田中 昭則、
岡﨑 茂喜、 大森 学、 竹下 朗、 橘重 孝
大勢の人が寺の本堂で念仏を唱えながら巨大な数珠を回している状況を、広範囲に俯瞰撮影されているので、天井に響く読経の声や数珠の音などが伝わってくるようです。また本堂内の熱気が屋外の積雪をも溶かしそうに思える構成が素晴らしい。
束ねた稲を稲架に掛ける作業を絶好のタイミングで撮られています。稲刈りと脱穀が同時に行われている現代にあって、このような昔ながらの天日干し作業が、何世代にも渡って受け継がれてほしいと願いたくなる作品です。